この記事では警察関連の職業や仕事の用語として、しばしば耳にする「刑事」と「警部」の違いを分かりやすく説明します。
「刑事」とは?
「刑事」とは、「刑事事件の捜査に従事している私服警察官」を指す通称です。
都道府県警察の警察官は、様々な仕事を担当する組織で構成されており、「刑事」は刑事部門に所属する警察官を指す通称です。
警察組織には刑事部門以外に、防犯対策やストーカー被害の相談に応じたりする生活安全課、交番勤務の地域警察部門、重要人物の警備などを行う警備部門、交通安全に取り組む交通部門、そして総務部門等があります。
すなわち、「刑事」は警察組織の中で、刑事事件の捜査を担っている仕事に従事している人を意味しています。
一般企業で言えば、営業部門に属する「営業マン」や技術部門に属する「技術者」や経理部門に属する「経理マン」と言った表現に相当するものです。
「警部」とは?
「警部」とは、「警察官組織内における一つの階級の名称」です。
警察官には、多くの階級があり、トップが警視総監で、以下階級が高い順に名称を記載すると、警視監、警視長、警視正、警視、警部、警部補、巡査部長、巡査に区分されます。
この階級は、組織の長としての班長や係長や課長や部長と言った名称とは別です。
もちろん、刑事1課長として任命される階級は、慣習的に決められていますが、組織の大きさや重要性により異なり、必ずしも1対1対応ではありません。
これは一般企業でも、資格制度を設けて、それと組織の役付任命を関連付けて設けているのと同じと言えます。
「刑事」と「警部」の仕事の違い
すでに説明して来たとおり、「刑事」と「警部」は、いずれも警察に関連した用語ですが、意味は全く異なるものです。
「刑事」は「刑事事件の捜査に従事している私服警察官の通称」で、言わば仕事内容を表現する言葉です。
それに対して、「警部」は「警察官組織内における一つの階級の名称」で、全く違う概念の言葉です。
しかし狭義の意味では「刑事」は、主に階級で言えば、巡査部長または巡査で、刑事事件を担当する警察官を指すことが多いと言えます。
そのため、刑事ドラマでは○○刑事や××刑事、そして警部と呼んでいる光景が、しばしば描かれているのです。
そのために、刑事と警部の違いという本記事の疑問を持つ人が多いのです。
「刑事」と「警部」の給与面の違い
警察官においても、毎年一定の昇給があり、同じ階級に居ても、給与は昇給分はアップします。
しかし、階級が上がることでベースの給与がアップし、また毎年の昇給額のアップ比率も高くなります。
警察官の給与を決定付ける要素は、階級だと言えます。
こうしたことから、「刑事」を狭義の意味で刑事事件を担当する巡査や巡査部長だと定義すれば、もちろん、階級がそれより上の警部の方が給与は高いと言えます。
まとめ
「刑事」は「刑事事件の捜査に従事している私服警察官の通称」で、仕事の種類を示す言葉と言えます。
一方の「警部」は階級名の一つで、全く違った用語です。
ちなみに、狭義では「刑事」は階級が巡査長と巡査で刑事捜査に当たる人を指す場合もあります。