この記事では、「准看護師」と「正看護師」の違いを分かりやすく説明していきます。
「准看護師」とは?
2年制准看護師養成所を卒業して、准看護師試験に合格すれば、資格を得ることができます。
病院等での仕事は、看護業務全般を担います。
ただし、「准看護師」は自らの判断で医療業務を施すことが禁止されており、医師や「正看護師」の指示を仰いだ上で処置を施すことが出来ます。
また、「准看護師」は、新人看護師への教育指導業務や管理職業務に就くことは出来ません。
「正看護師」とは?
4年制看護大学、3年制看護短大、3年制看護師養成学校のいずれかを卒業して、看護師国家試験に合格すれば、資格を得ることができます。
医療現場の看護業務を全て網羅し、「准看護師」への指示や新人教育への取り組みも行います。
「准看護師」と「正看護師」の仕事の違い
「准看護師資格」は、都道府県知事が発行する資格で、国家資格ではありません。
対して、「正看護師資格」は国家資格になります。
「保健師助産師看護師法第6条准看護師の定義」にて、「都道府県知事の免許を受けて医師・歯科医師又は看護師の指示を受けて前条に規定することを行うことを業とする者」と定められているのが「准看護師」。
「保健師助産師看護師法第5条看護師の定義」にて、「厚生労働省の免許を受けて、傷病者もしくはじょく婦に対する療養上の世話または、診療の補助を行う者」と定められているのが「正看護師」になります。
つまり、「准看護師の定義」にある「前条」という言葉が、この「正看護師の定義5条」にあたる訳です。
ですから、「准看護師」と「正看護師」の業務内容は、ほぼ同様と言えます。
主体性をもって業務にあたる正看護師、医師や正看護師から指示を受けて業務にあたるのが准看護師となります。
「准看護師」と「正看護師」の給料面の考察
仕事の違いは大きな差はないように見えますが、自発的に医療行為を行えないという制限がある「准看護師」は、制限のない「正看護師」に比べて、収入面は低くなる傾向があります。
一般的な平均から見ると、正看護師は450万円前後、准看護師は400万円前後になるようです。
これは、地域やキャリアによって変動があります。
また、制限の仕組みは法令によるものなので、「准看護師」がどれだけ長年の経験を積んでも、その制限を超えることは出来ません。
つまり、管理職などへのキャリアアップは望めないということです。
その代わり、資格取得の難易度と資格取得条件が正看護師に比べ緩やかなので、子育てをしながら、あるいは、学歴が中卒まででも受験することが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「准看護師」と「正看護師」は、同様の看護業務に就きながらも、制限やキャリアアップに違いがあることが分かりました。
医療現場において激務にさらされる看護師ですが、情熱や志しだけでは切り抜けられないこともあり、体力や強い精神力が求められます。
看護師たちの日々の努力により、病院は私たちにとって心身ともに拠りどころであることは、間違いありません。
医療従事者への感謝は、忘れないようにしたいものです。