「拝命する」と「拝命される」の違いを分かりやすくお伝えします。
よく見る言葉を、おさえていきましょう。
「拝命する」とは?
拝命する(はいめいする)とは、うやうやしく引き受けること。
任された仕事を心して受け入れることです。
任命してくれた相手を高く持ち上げる、とてもへりくだった言い回しになります。
もともと「拝命する」という言葉の「拝命」には「ポジションを与えてもらう」という訳があります。
そのため「拝命する」で重要な役職を心して受けとめるという言い方になります。
上司から大きな役職を与えられたり、任命されたり「昇進や昇格を前向きに受け止めるとき」に用いていきます。
おもに社内人事で用いる表現になるので、社外の人に対して使うことはありません。
覚えておきましょう。
「拝命される」とは?
「拝命される」とは「拝命する」の誤った使い方です。
間違って利用されることも多いのですが「拝命される」といってしまうと、受け身にさらに受け身を重ねたような不自然な言い回しになります。
なぜかというと「拝命」という言葉に「謹んで役職を引き受ける」という、受け身の意味があるからです。
「受け取る」を「受け取られる」に変化してしまうとおかしな表現になってしまうように「拝命される」も間違い言葉になります。
丁寧な方ほど誤って使ってしまう言葉なので、ボーダーラインを正しく付けておきましょう。
「拝命する」と「拝命される」の違い
・正しくは「拝命する」
「拝命する」と「拝命される」は、よく似ているビジネス言葉になります。
結論からいうと、正しくは「拝命する」です。
そして間違っているのは「拝命される」になります。
拝命という言葉には、受け手を下げる謙譲語としてのニュアンスがあります。
そのため役職を与えてくれた会社や上司を持ち上げて、受け取る自分自身を下げる言い回しが「拝命する」になります。
「拝命する」には、その役職に熱意をもって取り組むという、話し手のあつい魂もこめられています。
そのため「拝命する」は、就任パーティや祝賀会でつかいます。
また新部署での挨拶として用います。
例として「このたび総務部長の役目を拝命いたしました、鈴木です。
気を引き締めて頑張りますので、どうぞよろしくお願いします」があります。
「拝命する」は「~という役職を拝命した~です」とパターン化して覚えておくと、とても便利です。
また先ほど解説したように「拝命された鈴木です」というのは、誤りになります。
それなりに知識がある人が聞くと、おかしな日本語となってしまうので注意しておきましょう。
まとめ
「拝命する」と「拝命される」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「重要な役職をうやうやしく引き受ける」という意味合いがあります。
すでに謙譲語の表現になっているので「拝命される」とつかうのは、誤りとなります。
正しい言葉遣いを知って、未来の昇進にそなえておきましょう。