ビジネスでよく使われる言葉として「幸いです」と「助かります」があります。
このふたつの言葉はどのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「幸いです」と「助かります」の違いについて解説します。
「幸いです」とは?
「幸いです」とは、「嬉しく思う」という意味を込めたビジネス表現です。
「幸いです」の「幸い」とは「幸せである」ことを意味します。
「幸いです」という言葉で幸せであると感じているのは話して本人です。
この言葉は相手の行動に対して使う表現なので「~してくれたら私にとって幸せである」ことを表しています。
少し回りくどくなりましたがもう一度整理すると「あなたがそれをやることで私に幸せな気持ちが生まれる」ことを意味する言葉です。
要するに「そうしてもらえると嬉しい」つまり「そうしてほしい」という「消極的なお願いや依頼」を意味する表現です。
ビジネスにおいて相手にグイグイ押し付けたり強引に頼み込んだりするのはマナー違反です。
「幸いです」というのは「そうしてくれたら自分は嬉しい」と伝えることでそれとなく相手の行動を促そうとする真意が含まれています。
こちらの幸せを匂わせながら相手の行動をコントロールしようとしているわけで一歩間違えると大変失礼にあたる表現ですが、ビジネス用語としてはお願いするときに用いられる婉曲表現として秘匿使われている言い方です。
「助かります」とは?
「助かります」とは、「ありがたい」を意味するビジネス表現です。
「助かります」という表現が表しているのは「現時点で私は困った状況にあるがあなたがそうしてくれると私の助けになる」という内容です。
かなり回りくどい言い方ですが要するに「そうしてくれると私の状況が改善される」つまり「そうしてくれるとありがたい」ことを意味しています。
ビジネスにおいて「助かる」というのは「相手の力を借りることで自分にとって有利に働き後押しになる」ことを意味します。
「助かります」は手が足りなかったりピンチだったりするときに他人が何らかの行動をとることで少しでも状況が改善されるようなケースにおいてそれとなくやってほしいことを伝えるときに用いられる表現です。
「幸いです」と「助かります」の違い
一般的に「幸いです」のほうが「助かります」よりも敬意が強く丁寧な表現だとされています。
ただし、上司や目上の人に「幸いです」という表現を用いるのは無言の圧力をかけて行動を強いるおねだりのような印象をあたえることからよくない使い方だという見方もあります。
「助かります」は仲間や同じ立場の人に対して使う表現なので目上の人に対しては率直に「嬉しく思います」というのが適切な表現です。
まとめ
「幸いです」と「助かります」はビジネスでとてもよく使われている日常的な表現ですが、深く考えてみると微妙なニュアンスを含む言葉であることがわかります。
使い方を間違えると失礼に当たる可能性があるので相手やシチュエーションを考えて使い分けてください。