「ひいては」と「しいては」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などを交えながら、分かりやすく解説していきたいと思います。
「ひいては」とは?
はじめに「ひいては」について解説していきます。
「ひいては」は漢字で書くと「延いては」になります。
これは「さらには、それがもとになり」などを示す言葉です。
漢字にした場合に「延長」の「延」が使われることで、話の延長線上にあることを意味していると覚えると分かりやすいでしょう。
よく使われる用法として「それは他人のためであり、ひいては自分のためでもある」のような使い方をされます。
これは「他人のためである」ことをさらに考えていけば、最終的には「自分のためでもある」ということを表現しています。
このように表現する場合に使えるのが、「ひいては」なのです。
「しいては」とは?
つぎに「しいては」を解説します。
「しいては」は漢字で書くと「強いては」になります。
これは「ひいては」と同じような使い方はできません。
「強いては」は「強いる」から来ているので、相手に何かを強要することを意味しているのです。
そのため、たとえば「勉強することを、しいてはいけません」などと使用できます。
「無理強いする」を「むりじいいする」と読むことが紐づけば、腹落ちしやすいはずです。
「ひいては」と「しいては」の違い
それでは「ひいては」と「しいては」の違いはどこにあるでしょうか。
これは、漢字の違いで考えると分かりやすいでしょう。
「ひいては」は「延いては」になるので、話の延長線上にあることを示します。
そして「しいては」は「強いては」になるので、相手への強要を示すのです。
このように、似ているために分かりにくい表現も、漢字での変換を意識することで理解を深められます。
「ひいては」と「しいては」の違いは「延いては」と「強いては」の違いだと覚えておけば、間違って使ってしまうことはないのです。
「ひいては」の例文
ここでは「ひいては」の例文を挙げていきます。
・『それは他人のためになる、ひいては自分のためである』
・『勉強は自分のためになる、ひいては将来の自分のためにもなる』
・『投資は会社のためになる、ひいては社会発展のためにもなる』
・『健康は自分のためになる、ひいては家族のためにもなる』
「しいては」の例文
ここでは「しいては」の例文を挙げていきます。
・『子供に勉強をしいてはいけません』
・『嫌がる労働をしいてはなりません』
・『会社での行動をしいてはいけないでしょう』
・『入会をしいてはならないでしょう』
まとめ
このように「ひいては」と「しいては」は似ている言葉ですが全く違う意味を持ちます。
「ひいては」と「しいては」の違いは「延いては」と「強いては」の違いだと覚えておくと、間違って使ってしまうことを避けられるでしょう。