この記事では「言ってください」と「お申し付け下さい」の違いを解説します。
「言ってください」とは?
言葉を口に出すという意を丁寧にした言葉です。
「ください」には相手に何かを要求する意があり、それを丁寧にした言葉です。
「言って」は言うのことで、丁寧語でも尊敬語でもありません。
尊敬語にすると「おっしゃる」になります。
そのため、「言ってください」は目上の人に対して使用する言葉ではありません。
自分が働いている部署に新入社員がやってきたとします。
新しい職場でわからないことがたくさんあることでしょう。
きっと困っていることもあるはずです。
困っていることがあったら何でも聞いて欲しいと先輩社員が思っていたとします。
そういったときには「困ったことがあったら言ってください」などと相手に伝えます。
新入社員は自分にとって部下なので、尊敬語は使用しません。
しかし、他人なので慣れなれしい口のきき方をするのは不自然です。
そのため、こういった丁寧な言葉を使用します。
「お申し付け下さい」とは?
言って頼んでくださいといった意味です。
「申しつけ」は「言いつける」を自分を低くしていった言葉です。
「下さい」は相手に対して何かを求める意がある丁寧な言葉です。
こういったことから、何かを言って頼むということを、自分を低くして表現した言葉になります。
ホテルに滞在するときのことで説明をします。
ホテルに滞在中は、飲食のこと、お風呂のこと、観光のことなど、何か困ったことや疑問に思うことが出てくることでしょう。
そういったことがあったときに、スタッフに相談して欲しいとホテルの従業員が思っていたとします。
そのときに従業員がお客に対して「何かあったらお申し付け下さい」などといいます。
この言葉には、何かがあったときにはスタッフにそのことを伝えて頼んでよいという意味が含まれています。
こちらとしては、言われたことをやりますよという意味も含まれます。
「言ってください」と「お申し付け下さい」の違い
どちらの言葉にも、口にだすという意味合いがありますが、使い方に違いがあります。
前者は目上の人には使用しません。
自分と同等の立場にある人に対して使うことがあり、言うと丁寧にしたいい方になります。
後者は自分を低くしたいい方です。
お客に対して使われることが多くあります。
言いつけて欲しいときに使用をする言葉です。
「言ってください」の例文
・『何でも言ってください』
・『薬の用意をするので言ってください』
・『寒かったら言ってください』
・『痛かったら言ってください』
「お申し付け下さい」の例文
・『困ったことがあったらお申し付け下さい』
・『予定の変更がありましたらお申し付け下さい』
・『アレルギーがある方はお申し付け下さい』
・『気分が悪くなった方がいたらお申し付け下さい』
まとめ
言葉を口に出すという意味合いを持つ点が似ていますが、使い方に違いがあります。