この記事では、「お含みおきください」と「ご承知おきください」の慣用句の違いなどについて、例文を含めて分かりやすく説明します。
「お含みおきください」とは?
「お含みおきください」とは、「心の中や、頭の片隅に留めておいてください」と言う意味の慣用句で、ビジネスシーン等でしばしば使われています。
この慣用句は、「お含みおき」と「ください」の二つの言葉で構成されています。
「お含みおき」は、「頭の片隅にでも留めておくこと」を意味する「含みおく」に敬語表現の接頭辞の「お」を付けた言葉です。
一方の「ください」は平仮名表記されているので、補助動詞で、前の「含みおく」の動詞に付いて表現を丁寧にする役割を果たしています。
従って「お含みおきください」は、「心の中や、頭の片隅に留めておいてください」と言う意味の丁寧な表現の慣用句と言えます。
「お含みおきください」の使い方の例文
・『現時点では、会場の都合により日程変更があることを、お含みおきください』
・『上司の判断で一部変更をお願いする可能性があることをお含みおきください』
「ご承知おきください」とは?
「ご承知おきください」とは、「知っておいてくださいや、認識しておいてください」と言う意味の慣用で、こちらもビジネスシーンでよく使われる表現です。
「ご承知おきください」の慣用句は、「ご承知おく」と「ください」で構成されています。
「ご承知おく」は「知っておくや、認識しておく」を意味する「承知おく」に敬語表現とする接頭辞の「ご」が付けられた言葉です。
また「ください」は前項で記載した内容と同じ使い方です。
従って、「ご承知おきください」とは、「知っておいてくださいや、認識しておいてください」との意味を丁寧に表現した慣用句と言えます。
「ご承知おきください」の使い方の例文
・『仕様の一部が予告なく変更される可能性があることを、ご承知おきください』
・『取締役会で、次期の取締役は以下の通り内定しました。株主総会で承認されて、正式決定となることをご承知おきください』
「お含みおきください」と「ご承知おきください」の違い
「お含みおきください」と「ご承知おきください」の意味は少し似ていますが、明らかにニュアンスが異なります。
「お含みおきください」は「頭の片隅に記憶しておく」ことを、お願いしているのに対し、「ご承知おきください」の方は、「しっかりと認識したり、覚えておくこと」を、要望しているのです。
「ご承知おきください」の方が、強くストレートな意味となるのです。
「お含みおきください」と「ご承知おきください」先に記載した様に、文法的には同じ構成の言葉で、丁寧な表現と言えます。
それにプラスして「お含みおきください」は柔らかい表現なので、上司や目上の人や取引先に使っても問題はありません。
しかし「ご承知おきください」の方は、表現がストレートで命令的に聞こえるために、上司や目上の人に使うのは避けた方が無難と言えます。
まとめ
「お含みおきください」とは、「心の中や、頭の片隅に留めておいてください」と言う意味で、「ご承知おきください」の方は「知っておいてくださいや、認識しておいてください」の意味です。
「ご承知おきください」の方が、ストレートで命令調とも取れる表現です。
上司や目上の人にも、「お含みおきください」は使えますが、「ご承知おきください」の方は使うのを避けた方が良いと言えます。