「ついに」と「やっと」の違いとは?ビジネスでの使い方や例文など分かりやすく解釈

「ついに」と「やっと」の違い ビジネス用語【二語】

この記事では、ビジネスシーンでも使われることの多い「ついに」「やっと」について、その意味の違いや使い方等を分かりやすく説明します。

「ついに」とは?

「ついに」は、漢字表記では「終に」「遂に」で、「長い時間の後、最終的にある結果に到達したこと」を意味する言葉です。

品詞は副詞です。

「ついに」の後の文章が不定形の場合には、「長い時間を経過したが、結局最終的に結果に到達できなかった」と言う意味で使われます。

「ついに」の使い方

・『5年に渡る研究・開発の末に、ついに不可能とされていた小型化を達成した』
・『新店舗の開業日をついに迎えることが出来、まさに感無量の想いです』
・『長年、手に入れたいと思っていた有名な陶芸家のお茶碗を、ついに手に入れることが出来ました』


「やっと」とは?

「やっと」は、漢字表記では「漸と」で、「長い時間や労力を費やして実現すること」を意味する言葉です。

品詞は副詞です。

また「何とか足りているが、十分な状態でないこと」の意味でも使われます。

「やっと」の使い方

・『英文の新製品カタログの原稿を、期日直前にやっと仕上げることが出来ました』
・『あの町工場は、赤字続きですが、毎月やっとの思いで資金繰りを行い、倒産を免れています』
・『やっと営業部が新製品の販売目標を達成したのに、肝心の生産が計画通りに進んでいない』

「ついに」と「やっと」の違い

「ついに」は、「時間が掛かかったものの、最終的な結果に到達した」際に使われる言葉で、その到達した瞬間を重視したニュアンスを持つ言葉です。

一方の「やっと」も、「長い時間を掛けて実現した」と言う意味で、ニュアンス的には苦労したことや、限界に近いことを強調する場合に使われます。

以上の通り、いずれの言葉も「長い時間をかけて達成した」場合に使われる言葉である点は同じです。

しかし、「ついに」は達成した瞬間を強調するのに対し、「やっと」の方は達成するまでの苦労を強調していると言うニュアンスの違いがあります。

また、「やっと」「やっとの思いで」「やっとのことで」と慣用句的に使われますが、「ついに」には、そうした使い方はありません。

この「やっとの思いで」「やっとのことで」と言う表現は、先に記した「やっと」の持つ苦労を強調しているニュアンスを、さらに強調した表現として使われるものです。

まとめ

「ついに」「やっと」は、いずれも「長い時間をかけて達成したこと」を表現する言葉で、品詞も同じ副詞です。

しかし、「ついに」は達成した瞬間を強調するニュアンスが強いのに対し、「やっと」は達成するまでの苦労を強調するニュアンスが強く、こうしたニュアンスの違いがある言葉と言えます。