「丁寧な」と「懇切な」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文など、分かりやすく解説していきます。
「丁寧な」とは?
「丁寧」は大きく二つの対象に使用できる言葉です。
ひとつは「動作や態度が礼儀正しいこと」を示して使用できます。
もうひとつは「仕事や造作がしっかりとしていること」を示して使用できるのです。
たとえば、「丁寧な態度」や「丁寧な仕事」のように表現することで、どちらも「しっかりしていてそつがない」様子を表現できるのです。
「懇切な」とは?
「懇切」は「行き届いており親切なこと」を意味します。
通常は「懇切丁寧」の四字熟語で使用されることが多い言葉と言えます。
しかし、「懇切だ」や「懇切な」のように単独で使用することもできるのです。
類似のメジャーな言葉に「親切」があります。
これは「親のようによくしてくれる」ような意味を持ちます。
これと同様に「懇切」も「懇意であり、よくしてくれる」のような意味を持っているのです。
「丁寧な」と「懇切な」の違い
それでは「丁寧な」と「懇切な」の違いはどこにあるでしょうか。
丁寧は「しっかりしていてそつがないこと」を示します。
これに対して「懇切な」は「行き届いており親切なこと」を示すのです。
これは前者が相手の態度や仕事の様子を示しています。
そして、後者は相手の配慮を示しているのです。
このように「丁寧」と「懇切」の意味の違いが、そのまま「丁寧な」と「懇切な」の意味の違いになるのです。
少し似ている言葉ですが、意味の違いを正しく理解して、正しく使い分けるのがよいでしょう。
「丁寧な」の例文
「丁寧な」の例文を挙げていきます。
相手の態度や仕事が「しっかりしていてそつがない」ことを示すために使用すると、使いやすいでしょう。
・『とても丁寧な態度でした』
・『非常に丁寧な仕事のようでした』
・『大変丁寧な様子でおりました』
・『丁寧なもので上手に組み上げていました』
「懇切な」の例文
「懇切な」の例文を挙げていきます。
「親切」と同じ意味ととらえて使用すると、文章を作りやすいのではないでしょうか。
・『懇切な対応に感謝しております』
・『昨日は懇切な応対を受けました』
・『貴社の懇切な説明で十分に理解できました』
・『あのように懇切な態度は見たことがありません』
まとめ
このように「丁寧な」と「懇切な」は、どちらも態度や様子を表現する言葉です。
しかし、丁寧「しっかりしていてそつがないこと」、懇切は「行き届いており親切なこと」を示します。
少しだけ似ているようにも見える二つの言葉ですが、意味する内容は異なります。
相手や状況に応じて、適切なほうを選択して使い分ける必要があるのです。