「そこで」と「つきましては」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などを交えながら、分かりやすく解説していきたいと思います。
「そこで」とは?
はじめに「そこで」について解説していきます。
「そこで」には二つの意味があると言えます。
一つは、場所を示す場合です。
たとえば「そこで起きた事件」などと使用できます。
しかし、今回はもう一つの使い方についてです。
「そこで」は「そういうわけで」という意味を持ちます。
前の文章や会話から、次の文章や会話につなげるための接続を担う言葉なのです。
「つきましては」とは?
つぎに「つきましては」を解説します。
「つきましては」は「ついては」が敬語で表現されたものです。
そして「ついては」には「そういうわけで」や「したがって」という意味を持ちます。
このことかもわかる通り、「そこで」と「つきましては」は同じような意味を持つ、違う表現の言葉であると言えるのです。
「そこで」と「つきましては」の違い
それでは「そこで」と「つきましては」の違いはどこにあるでしょうか。
これは、単純に言葉の響きの違いと、敬語表現の有無です。
「つきましては」は敬語で表現されています。
原形が「ついては」であることは、先に述べたとおりです。
しかし「そこで」という単語自体を敬語で表現することはできません。
ここが、この二つの最も大きな違いと言えるでしょう。
また、言葉のリズムの問題もあります。
会話や文章では、前後の文脈によっては、美しい表現になるものと、違和感を与える表現になるものがあります。
これらをできるだけ美しい表現にするためには、同じ意味でも違う表現ができる言葉を多数知っていることが、有効な手段になるのです。
「そこで」の例文
ここでは「そこで」の例文を挙げていきます。
そこでには、普通に文章を続けることが可能です。
この場合の文章は、主語が自分であっても相手であっても使用できます。
・『そこで、私たちは考えました』
・『そこで、私は走り出したのです』
・『そこで、結論が出そろいました』
・『そこで、原因が解明したのです』
「つきましては」の例文
ここでは「つきましては」の例文を挙げていきます。
例文から「そこで」と全く同じ使い方ができないことが分かるはずです。
なぜなら「つきましては」は敬語であり、主語が自分である場合には使えないからです。
必然的に、相手に要求する形の使い方になります。
・『つきましては、考えていただきたく』
・『つきましては、走り出してはいかがでしょうか』
・『つきましては、結論をいただけますでしょうか』
・『つきましては、原因を教えていただきたく』
まとめ
このように「そこで」と「つきましては」は意味が全くまったく同じです。
しかし、同じ使い方ができる場合とできない場合があるのです。
どちらを使うのかは、実際の相手や場面に当てはめて、適切なものを注意深く選択する必要があると言えるでしょう。