この記事では、ビジネスシーンでしばしば使われる慣用句の「ご容赦いただけますと幸いです」と「ご容赦いただければ幸いです」について、その違い等を例文を交えながら分かりやすく説明します。
「ご容赦いただけますと幸いです」とは?
「ご容赦いただけますと幸いです」の慣用句は、「ご容赦」と「いただけますと」と「幸いです」の三つの言葉に分解できます。
まず、最初の「ご容赦」は、「許す」ことを意味する「容赦」に尊敬の接頭辞の「ご」が付けられた言葉です。
次の「いただけますと」は、「もらう」の謙譲語の「いただく」に、丁寧語の「ます」と接続詞の「と」が付けられた言葉で、「してもらうと」を意味する敬語表現です。
そして最後の「幸いです」は「幸い」に丁寧語の「です」が付けられた言葉で、「自分にとって嬉しいことだ」という意味を表す丁寧語表現です。
以上の三つの言葉をつなぐと、「ご容赦いただけますと幸いです」は「許してもらうと嬉しいです」となり、これを意味する敬語表現の慣用句となるのです。
「ご容赦いただけますと幸いです」の使い方
・『少し約束の時間に遅れたこと、ご容赦いただけますと幸いです』
・『わざわざご足労をいただきましたこと、ご容赦いただけますと幸いです』
「ご容赦いただければ幸いです」とは?
「ご容赦いただければ幸いです」の慣用句は、「ご容赦」と「いただければ」と「幸いです」に分解できます。
ここで「ご容赦」と「幸いです」は前項で記載した通りです。
また「いただければ」は「もらう」の謙譲語の「いただく」に、仮定を示す「れば」と、接続助詞の「と」が付けられた言葉で、「もらえれば」の敬語表現となります。
従って、三つの言葉をつなぐと、「ご容赦いただければ幸いです」は「許してもらえると嬉しいです」を意味する敬語表現となります。
「ご容赦いただければ幸いです」の使い方
・『資料送付が遅れたこと、ご容赦いただければ幸いです』
・『ご要望の参考資料かどうかは分かりませんが、これでご容赦いただければ幸いです』
「ご容赦いただけますと幸いです」と「ご容赦いただければ幸いです」の違い
「ご容赦いただけますと幸いです」と「ご容赦いただければ幸いです」は、前項と前々項で記載した通り、いずれも「許してもらえると嬉しいです」を意味する、敬語表現です。
敢えて違いを言えば、「ご容赦いただけますと幸いです」は、「ご容赦いただければ幸いです」よりも敬意の度合いが高い表現で、一方で少しまわりくどい表現と言えます。
この違いから、「ご容赦いただけますと幸いです」は、相手に面と向かって会話する場合に使われ、「ご容赦いただければ幸いです」は手紙やメール等の文章表現時に使われることが多いと言えます。
まとめ
「ご容赦いただけますと幸いです」と「ご容赦いただければ幸いです」は、いずれも「許してもらえると嬉しいです」を意味する、敬語表現です。
「ご容赦いただけますと幸いです」は、主に会話時に使われ、「ご容赦いただければ幸いです」は手紙やメール等の文章で使われることが多いと言う違いがあります。