「ご厚意に甘えて」と「お言葉に甘えて」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文などについて、分かりやすく解説していきたいと思います。
「ご厚意に甘えて」とは?
はじめに「ご厚意に甘えて」について解説していきます。
「ご厚意」は「おもいやりのある心、厚い情」という意味を持つ尊敬語です。
そのため、相手の気持ちに感謝しつつも、それに甘えていえる様を表現する言葉です。
そのため、目上の人からの申し出が、自分にとって都合がよい場合に、返答として使うことが通例です。
このことから続く言葉は、一般的に「頂戴します」などの肯定的表現になります。
「お言葉に甘えて」とは?
つぎに「お言葉に甘えて」について解説していきます。
「ご厚意に甘えて」との違いは「お言葉に」の部分になります。
そのため「ご厚意」という心情を示すよりも「お言葉」という具体的なモノを示している分だけ、若干の具体性を伴う表現であると言えます。
しかし、どちらの場合も一般的には慣用句なような使われ方をしているため、使い方に大きな差はないでしょう。
「ご厚意に甘えて」と「お言葉に甘えて」の違い
それでは「ご厚意に甘えて」と「お言葉に甘えて」の違いはどこにあるのでしょうか。
結論としては、先の説明の通り「具体性」に対する若干の差異があるのみです。
概ねの意味は同義と考えてよいでしょう。
また表現の問題として「ご厚意」のほうが、よりフォーマルな表現であり、逆にいえば「お言葉」が相対的にはカジュアルな表現と言えるでしょう。
「ご厚意に甘えて」の例文
ここでは「ご厚意に甘えて」の例文を挙げていきます。
いずれのケースも、相手の申し出を受け取るタイプの結びになっていることが分かるはずです。
また、変形した利用としては「甘えさせていただきます」という形で結ぶことで、本来続くであろう「受け取る行為」を省略した表現も常用されているので、思えておくとよいでしょう。
・『ご厚意に甘えて、ありがたく頂戴いたします』
・『ご厚意に甘えて、お引き受けいたします』
・『ご厚意に甘えて、受け取らせていただきます』
・『ご厚意に甘えさせていただきます』
「お言葉に甘えて」の例文
また「お言葉に甘えて」の例文は以下の通りです。
このように「ご厚意に甘えて」と、同じ用法で使用できます。
ただし、言葉の響きや文章で目にした際の印象が少し柔らかくなっていることが分かるはずです。
・『お言葉に甘えて、ありがたく頂戴いたします』
・『お言葉に甘えて、お引き受けいたします』
・『お言葉に甘えて、受け取らせていただきます』
・『お言葉に甘えさせていただきます』
まとめ
このように「ご厚意に甘えて」と「お言葉に甘えて」には意味的な違いはありません。
しかし言葉が持つイメージには若干の差異があるのです。
このように子細な表現の差異を選択できるのは、日本語が持つ美徳の1つとも言えます。