「造形師」と「原型師」の仕事はどのように違うのでしょうか。
今回は、「造形師」と「原型師」の仕事の違いについて解説します。
「造形師」とは?
「造形師」とは、「製品の元になる形を作り上げる職業」です。
製品を作り上げるのに欠かせないのが「デザイン」です。
デザインは一般的に平面の絵で描き上げられますが立体にしたときにどのような印象になるのかは作ってみないとわかりません。
「造形師」はデザインを立体に起こし実物として作る専門職であり依頼に応じて絵や図面を立体化するほかオリジナルの造形物づくりも担当します。
一般的にはフィギュアや人形などホビー系の分野で活躍する人達に用いられることが多い職業名ですが、工業デザインを担当する人達の中にも「造形師」を名乗って活躍する人が増えています。
「原型師」とは?
「原型師」とは、「フィギュアやおもちゃなど量産される立体物のもととなる原型を作る職業」です。
「原型師」の仕事を簡単に説明するならば「量産品の型を作る仕事」です。
フィギュアやおもちゃは金型と呼ばれる専用の原型に素材を流し込み形成して大量に生産されます。
金型はまず大元となる立体物を作成しそこから型取りを行i作られますが「金型を作るために必要な大元になる立体物を作り上げる人」が「原型師」です。
「原型師」の造り上げた立体物がそのまま型取りされて製品化されるため「原型師」の腕によって製品の出来栄えが決まると言っても過言ではないほど重要な仕事です。
「造形師」と「原型師」の仕事の違い
「造形師」と「原型師」の仕事の違いは「作成された立体物の用途」です。
「造形師」がd作成した立体物は一点ものとして販売されたり完成品のサンプルとして使用されたりするのに対し、「原型師」が作成した立体物は量産のための型取りに使われます。
「造形師」は幅広く立体物を造形する職業を指すので「原型師」も「造形師」の一種に含まれます。
立体物を制作して報酬を受け取る職業が「造形師」、「造形師」の中でも量産に用いる金型作りのための原型製作を担当するのが「原型師」という違いで区別されます。
「造形師」と「原型師」の仕事の違い(給料面の考察)
「造形師」と「原型師」の仕事に明確な区別はなく担当する仕事の内容や種類によって区別されます。
個人で作品を制作したり企業の依頼に応じて立体物を作成したりする「造形師」の平均年収は300~450万円、量産用の原型を制作する「原型師」の平均年収は500~700万円と大量生産品に携わる「原型師」のほうが高給ですがどちらも技術が求められる職人仕事なので実際の収入は腕次第です。
多くのファンを獲得する第一人者になれば年収2000万円を超えますが仕事の依頼がなければ無収入もある厳しい世界です。
まとめ
「造形師」と「原型師」は携わる仕事の種類や内容の違いで区別されます。
同じ人が仕事内容により肩書を使い分けていることもあるので注意してください。