「弊店」と「弊行」の違いとは?
ビジネスでの使い方や例文など分かりやすく解説していきます。
「弊店」とは?
「弊店」は自分の店をへりくだって表現する言葉です。
自分のを低く表現することで、相手に対する敬意を示す方法は、謙譲表現と呼ばれます。
ビジネスでも自分の会社を「弊社」と表現する場合があります。
これと同様に、自分の店を示して「弊店」と表現できるのです。
しかし「弊店」は、あまり使われない言葉と言えます。
自分の店を表現する場合は、「当店」とするのが一般的です。
理由は「閉店」と紛らわしいことがひとつです。
もうひとつは、自分でへりくだって「良くない店」と表現するのは、商売する上でメリットが無いからです。
「弊行」とは?
「弊行」も同じく謙譲表現です。
これは自分が所属する「銀行」を示して、「弊行」とできるのです。
この言葉も、実際にはあまり使われない言葉と言えます。
「当行」とする使い方のほうが、より一般的なのです。
同じように、お金を預ける先の相手が、自ら「良くない銀行」と名乗るのは、メリットが無いのです。
これは、「弊社」でも同じで、最近の風潮では、「弊社」、「弊店」、「弊行」を、「当社」、「当店」、「当行」で置き換えて使うのが一般的なのです。
「弊店」と「弊行」の違い
それでは「弊店」と「弊行」の違いはどこにあるでしょうか。
どちらも、自分の所属組織をへりくだって表現するための呼称です。
しかし、「弊店」は自分の「店」を示します。
これは、飲食店でも、洋服店でも何でもよいでしょう。
「店」であれば「弊店」を使えるのです。
これに対して「弊行」は自分の「銀行」を示します。
これも、都市銀行でも、地方銀行でも、信託銀行でもよいでしょう。
「銀行」であれば「弊行」が使えます。
このように、会社に対してよく使用する「弊社」と同様に、会社以外の呼び名が適切な集団・組織に対しても「弊」という表現が使えるのです。
ただし、最近では「当」を使うほうが一般的だということには注意するとよいでしょう。
「弊店」の例文
ここでは「弊店」の例文を挙げていきます。
例文のように、自分の「店」を示すように使うと、間違いなく使用できます。
・『弊店のおすすめ料理はこちらです』
・『弊店までお越しください』
・『弊店の自慢はこの立地にあります』
・『弊店だけのオリジナルです』
「弊行」の例文
ここでは「弊行」の例文を挙げていきます。
例文のように、自分の「銀行」を示すように使うと、間違いなく使用できます。
・『弊行の金利は市場よりも高いと言えます』
・『弊行にお預けいただきたいと存じます』
・『弊行に融資させてください』
・『弊行までご連絡ください』
まとめ
このように「弊店」と「弊行」は、どちらも自分の組織を表現するための謙譲表現です。
しかし、「弊店」は自分の「店」を示し、「弊行」は自分の「銀行」を示します。
所属する組織に応じて、「弊」を使用できることが分かったのではないでしょうか。