「烏滸の沙汰」とは?
ビジネスでの使い方や敬語や言い換えなど分かりやすく解説していきます。
「烏滸の沙汰」とは?
「烏滸」は「おこ」と読みます。
これは「おろかなこと、ばかげたこと」意味します。
この語源は古く、後漢時代の中国にあるとされています。
「烏」はカラス、「滸」は水辺です。
つまり、水辺に集まるカラスはうるさく、何も考えていない。
これが転じて「おろかなこと、ばかげたこと」になっているのです。
また、「おこがましい」という言葉が「烏滸がましい」だと書くことが分かると、「ばかばかしい」に近い意味であることが腹落ちするのではないでしょうか。
なお、「沙汰」は事件や行為を示す言葉です。
これらのことから、「烏滸の沙汰」は「ばかばかしい行為」を示す言葉なのです。
「烏滸の沙汰」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「烏滸の沙汰」をビジネスで使用する場合、どんな使い方になるでしょう。
たとえば、あなたの会社で新製品の発売時期を検討していたとします。
しかし、予定していた時期に、最大手のライバル企業が新製品を発売することが分かりました。
どう考えても、こちらに勝ち目がないのです。
このような場合は「予定通りの発売日で臨むのは、烏滸の沙汰です」と述べるとよいでしょう。
これにより、「馬鹿げている」ということを伝達できるのです。
この言葉を使う場合、聞きなれていない言葉だということに注しましょう。
「おこがましい」はよく聞きますが「おこのさた」は聞きなじみのない人が多いのです。
さらに「烏滸の沙汰」と漢字表記した場合は、読めない人も多いでしょう。
使用する場合は、理解できる人が少ないということに配慮する必要があるのです。
「烏滸の沙汰」を使った例文
「烏滸の沙汰」を使った例文を挙げます。
「馬鹿げたこと」を意味する言葉だと理解していれば、様々な形に応用して使用できるでしょう。
・『そんなタイミングで発売するのは烏滸の沙汰です』
・『戦略を考えずに行動するのは烏滸の沙汰と言えます』
・『ビジネスで利益を意識しないなど、烏滸の沙汰かもしれません』
「烏滸の沙汰」の類語や敬語での言いかえ
「烏滸の沙汰」の類語や敬語を解説していきます。
「烏滸の沙汰」の類似表現
「烏滸の沙汰」は、「馬鹿げた行為」、「ばかばかしい」などが類似表現と言えます。
また、「烏滸がましい」や「おこがましい」は、使い方が多少違いますが「烏滸」を使用した類似表現と言えるでしょう。
「烏滸の沙汰」の敬語表現
「烏滸の沙汰」を単体で敬語表現することはできません。
敬語表現にする場合は、「烏滸の沙汰でございます」のように、語尾で敬語を使用する必要があります。
まとめ
このように「烏滸の沙汰」は、「ばかばかしい」を表す慣用句です。
ビジネスでも使用する機会が少ないと言えますし、意味を理解できる人も限られます。
特別な理由がなければ、他の平易な表現で言い換えることをおすすめします。