この記事では、ビジネスシーンでもしばしば使われる「お届けに参ります」について、意味や使い方や言い換え等を分かりやすく説明します。
「お届けに参ります」とは?意味
「お届けに参ります」とは、「何かを届けに行く」ことを意味する敬語表現です。
「お届け」は、「届ける」に謙譲の意味の接頭辞の「お」が付けられたもので、「参ります」は動詞の「行く」の謙譲語の「参る」に丁寧語の「ます」が付けられた言葉で、この言葉を繋いだ「お届けに参ります」は、目上の人の所に「何かを届けに行く」ことを意味する敬語表現となるのです。
ちなみに「参ります」は、平仮名表記として「行く」や「来る」を意味する補助動詞として使われることもあり、例えば「精進してまいります」や「見てまいります」と使われます。
この「お届けに参ります」では、少し距離がある先方の所に出向いて届けるイメージとして意味が成立しますし、「お届けにまいります」とすれば、例えばすぐ側にいる会社の上司の元に届けることを意味する表現等として成立します。
この主題では「参る」が漢字表記の動詞なので、冒頭の意味のように、「届けるために行く」ニュアンスとなります。
「お届けに参ります」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「お届けに参ります」は、先に説明した様に、取引先等の少し距離が離れた場所の所に「届けに行きます」と届けると同時に、こちらから出向くことを意味して使う言葉と言えます。
それに対して、社内の同じビルにある違う部署の部屋に何かを届ける場合は、こちらから出向くと言う苦労などないので、「お届けにまいります」とした方が良いと言えるでしょう。
「お届けに参ります」を使った例文
・『追加注文分は、すぐにお届けに参ります』
・『入荷次第、こちらからお届けに参ります』
・『現在先生のご自宅です。原稿をいただき次第、すぐに編集部にお届けに参ります』
「お届けに参ります」の言い換え
「参る」の類語としては、「伺う」があります。
この「伺う」も「行く」の謙譲語で、意味は全く同じです。
違いとしては「参る」は丁寧語に近い謙譲語Ⅱに分類され、一方の「伺う」は本来の謙譲語の謙譲語Ⅰに分類されます。
従って、「お届けに参ります」を「お届けに伺います」と言い換えることが出来、こちらの方が、より敬意の高い表現として使えます。
まとめ
「お届けに参ります」とは、「何かを届けに行く」ことを意味する敬語表現です。
ここでは「参ります」が漢字表記なので、動詞として使われていますが、補助動詞として平仮名表記にしても、「行く」の意味は薄くなりますが、意味はほぼ同じになります。
また「お届けに伺います」もビジネスシーンではよく使われますが、この表現は意味は同じで、敬意がより高い言い換え表現と言えます。