映画スタッフの「映画監督」と「撮影監督」はどう違うのでしょうか。
今回は、「映画監督」と「撮影監督」の違いについて解説します。
「映画監督」とは?
「映画監督」とは、「映画作品の映像制作を取り仕切りすべての責任を負う総責任者」です。
映画製作のうち映像制作実務面の最高責任者にあたるのが「映画監督」です。
映画作品には多くのスタッフが関わりますが映画をつくり上げる現場で最も偉いのが「映画監督」であり完成される映像の表現者として作品を制作します。
資金やスケジュールなど制作管理の最高責任者である「プロデューサー」が商品としての映画作りの総責任者であるのに対し、「映画監督」は作品としての映画作りの総責任者にあたります。
作品の題材選びやスタッフの選定、撮影された映像のチェックに編集と映画作りの最初から最期まで関わる仕事であり、完成した映画は一般的に「映画監督」の作品だと認識される作家職です。
「撮影監督」とは?
「撮影監督」とは、「映画やテレビドラマなど映像作品における撮影実務の責任者」です。
「撮影監督」というのは「実際に撮影される画面を構成し作り上げる職業」です。
映像として撮影される画面を作るには役者やセットのレイアウトを考えるだけでなく照明や特殊効果なども必要になります。
「撮影監督」は美術チームや衣装チーム、特殊効果チームなど画面に映る全ての要素に関わるスタッフをまとめあげ最終的に映像として記録される画を作り上げます。
「映画監督」と「撮影監督」の仕事の違い
「映画監督」が映画製作全般に関わるのに対し「撮影監督」は撮影する画作りのみを担当するという違いがあります。
「映画監督」は脚本や音楽など完成作品としての映画に関係する要素すべてに権限を有しますが「撮影監督」は画作りのみが担当なので脚本や音楽にはかかわりません。
「映画監督」の注文に応じて「撮影監督」が画作りを行いますが「映画監督」が認めて初めて撮影が行われます。
「映画監督」と「撮影監督」の仕事の違い(給料面の考察)
スタッフの序列でいうとトップに来るのが「映画監督」でその下につく部門責任者の一人が「撮影監督」です。
給料的には「映画監督」のほうが上ですが「撮影監督」は技術職であり多くの現場に欠かせない役割なので安定度は上です。
「映画監督」の収入は1本あたり250~500万円と社会的地位に比べて高くありません。
企画段階から関わると完成までに1年以上拘束されることを考えると薄給といっても良い金額なので多くの映画では「映画監督」が脚本を書きその分のギャラを支払うことで帳尻を合わせています。
「撮影監督」の年収は200~500万円です。
技術が認められると映画以外にもドラマやCMなどの依頼が入り収入もアップします。
まとめ
同じ監督業でも「映画監督」は総監督、「撮影監督」は部門の監督という違いがあります。
厳しい状況が続く映画業界は憧れる人が多い割に給料は低めです。
将来映画の道に進みたいのなら仕事内容だけでなく給料のことも考えて進路を決めてください。