この記事では、ビジネス等でしばしば使われる慣用句の「不躾な質問で恐縮ですが」について、その意味や使用方法など分かりやすく説明します。
「不躾な質問で恐縮ですが」とは?意味
「不躾な質問で恐縮ですが」の読みは、「ぶしつけなしつもんで、きょうしゅくですが」で、「失礼な質問で申し訳ないと思いますが」を意味する敬語表現の慣用句です。
この慣用句を分解して、少し詳しく説明します。
まずこの慣用句のキーとなる言葉の一つの「不躾」は「躾(しつけ)」に否定を示す「不」が付けられた言葉で、「躾がなっていない」すなわち「失礼や、礼節を欠くこと」を指す言葉です。
また後半の「恐縮です」は「相手に失礼したり、迷惑をかけたりすることに対し、申し訳なく思うこと」や「相手が何かしてくれたことに対して、感謝の気持ち」を表す謙譲語表現です。
この慣用句では前者の意味で使われています。
従って、「不躾な質問で恐縮ですが」とは、冒頭の「失礼な質問で申し訳ないと思いますが」を意味する敬語表現となるのです。
ビジネスシーンでこの慣用句が使われるケースには、大別して二つの場合があります。
一つ目は、同じ会社であっても全く異なる事業場から転勤して来た人が新たな職場の上司などに対して質問する場合や、新規に取引を始めようと考えている会社の担当の人に対して、使われるケースです。
この場合には、悪気がなく、早く新しい職場や新規の取引相手のことを知りたいと考えて遠回しではなく、ダイレクトに「不躾な質問」をしているだけと言えます。
二つ目は相手に対して不信感を持っているケースです。
例えば、経理の担当者が営業部長に対して、営業部はここ数カ月連続して経費オーバーの状態であることに対し、「不躾な質問で恐縮ですが」と前置きして、その後に「経費予算オーバーの理由や管理方法等の質問」を行ったり、納期遅れの取引先に「納期管理体制を問いただす」ケースです。
このケースでは、質問者が不信感や怒りを押し殺し、丁寧な言葉を使って質問していることを理解する必要があります。
「不躾な質問で恐縮ですが」の上司や目上に使うときの注意点
「不躾な質問で恐縮ですが」の言葉自身は、敬語表現であり、上司や目上の人や取引先に使って問題ありません。
しかし、そもそも自分が思っている「不躾な質問」を相手に投げかけて良いのか否かは、別の問題です。
相手のことや質問内容を勘案して、相手を怒らせるような質問でないかを考えることが大切です。
「不躾な質問で恐縮ですが」を使った例文
・『不躾な質問で恐縮ですが、○○○○について、ご教示いただければ幸いです』
・『不躾な質問で恐縮ですが、その管理体制で抜けが生じる恐れはありませんでしょうか』
・『不躾な質問で恐縮ですが、御社の経営概況をご教示いただけないでしょうか』
「不躾な質問で恐縮ですが」の返答や返信例
1項の後半で記したように、二つのケースが考えられるいずれの場合なのかを考えた返答が求められます。
一つ目の場合には、答えられる範囲で、相手の立場も勘案した表現で答えればよいでしょう。
しかし、二つ目の場合には、相手がこちらを課題視して質問を投げかけているため、1項の例では最初に「経費予算オーバーして、迷惑をかけています」や「納期遅れを生じ、誠に申し訳ありません」
などと前置きして説明を返すのが良いと言えます。
まとめ
「不躾な質問で恐縮ですが」とは、「失礼な質問で申し訳ないと思いますが」を意味する敬語表現の慣用句です。