「どういたしまして」と「いえいえ」の違いとは?使い方や例文など分かりやすく解釈

「どういたしまして」と「いえいえ」の違い ビジネス用語【二語】

「どういたしまして」「いえいえ」はどう違うのでしょうか。

今回は、「どういたしまして」「いえいえ」の違いについて解説します。

「どういたしまして」とは?

「どういたしまして」とは、「相手からの感謝やお礼に対して気遣い無用という意味で使われる打ち消しの言葉」です。

「どういたしまして」というのは相手から感謝されたりお礼されたりしたときに使われる定型文です。

言葉そのままだと「なにをしたものであろうか」という意味になりますが、これは相手からの感謝やお礼に対して「自分が一体どれほどのことをしたというのだろうか」つまり「感謝やお礼をされるほどのことはしていない」という謙遜の意味が込められています。

感謝やお礼をそのまま受け取るのではなく「私のしたことなど微力でありお礼を言われるほどのことではない」という形で感謝やお礼に足して気遣いが無用であることを伝える言葉です。

一般的にはそこまで細かい意味を考えることなく感謝やお礼に対する返答の定型文として広く使用されています。

感謝やお礼に対する反応というのは難しい物で素直にありがたがるのも感謝されて当然だという態度をとるのもしっくりきません。

「どういたしまして」とは相手の気持を受け止めつつ自分の気持を積極的に主張しない日本人的な婉曲表現です。

どういたしまして」の使い方

・『ありがとう、と言われたのでどういたしまして、と返す』
・『どういたしまして、という言い方は目上の人に対して使っても問題ない』
・『どういたしまして、という言い方に傲慢さを感じる人もいる』
・『どういたしまして、とは言わずにこちらこそ、と相手に感謝を伝え返すことにしている』


「いえいえ」とは?

「いえいえ」とは、「相手の言葉を丁寧に否定しつつも拒絶はしない謙遜表現」です。

「いえいえ」という言葉が使われるのは「相手に褒められるなどそのまま受け入れるのははばかられるが積極的に否定する気はないとき」です。

褒められたり認められたりするのはだれでもうれしいものですがそのままためらいもなく受け入れてしまうと調子に乗っていると思われたりうぬぼれていると見られたりするリスクがあります。

そのような場面で用いられるのが「いえいえ」です。

「いえいえ」という言葉には「相手の言葉を軽く否定しつつもまんざらでもない」ニュアンスが込められています。

「いえいえ」の使い方

・『かっこいい、と言われたのでいえいえ、と返した』
・『いえいえそんなことはありません、と言ってはいるがまんざらでもない様子だ』
・『いえいえ、と否定しているのは口だけで笑顔が隠しきれていない』
・『どんなに褒めてもいえいえ、とかわされてしまうのでヨイショが通じない』

「どういたしまして」と「いえいえ」の違い

「どういたしまして」「いえいえ」の違いは「気持ちの受け止め方」です。

「どういたしまして」が相手の気持をそのまま受け止めているのに対し「いえいえ」は相手の気持を否定する表現です。

気持ちを受け止めつつもそんな気遣いは不要だと相手に配慮しているのが「どういたしまして」、相手の言葉を否定しつつも一方的に受け入れているだけなのが「いえいえ」という違いで区別されます。

まとめ

「どういたしまして」「いえいえ」も相手との間に波風を立てないために使われる返答の定型文です。

あまり深い意味を考えて使われていない言葉ですがニュアンスによって相手に与える印象は変わるので注意しましょう。