建築業の「大工」と「内装工」はどう違うのでしょうか。
今回は、「大工」と「内装工」の違いについて解説します。
「大工」とは?
「大工」とは、「工具や工作機械を用いて建材を加工し建物や物品を作る職業」です。
「大工」と聞くとトンカチで釘を打ったりのこぎりで木材を切ったりするイメージが思い浮かびます。
一般的に「大工」という場合は「家を建てる職人」を指しますがその他にも家や商店、ビルや倉庫など建物を作り上げる技術職全般を指して「大工」と呼ばれています。
「大工」は専門分野ごとに名称をつけて呼ばれます。
木造住宅を作る「木造大工」、型枠を作りコンクリートを整形する「型枠大工」、神社やお寺などを担当する「宮大工」、船舶を製造する「船大工」など、専用の工具と自らの技術を用いて素材を加工し製品を作る人はすべて「大工」に含まれます。
「内装工」とは?
「内装工」とは、「建物の室内を装飾する職業」です。
「内装工」が担当するのは完成した建物に基本として備わっている室内装飾です。
具体的には室内の壁となる石膏ボードの設置、床や壁などのクロス貼り、床面のフロア施工を担当します。
「内装工」は人が実際に使用する室内空間を仕上げる仕事なので物件の使い勝手や見栄えに大きく影響する仕事です。
新築住宅やビルの内装を担当する以外にも古くなった住宅の内装リフォームも手がけます。
「大工」と「内装工」の仕事の違い
建物のうち柱や梁など骨組みにあたる躯体をつくり上げるのが「大工」、躯体に壁板やクロスなどを張り実際に使える室内空間に仕上げるのが「内装工」というように作業が分担されています。
実際の建築現場ではまず「大工」によって基礎や柱など住宅の基本的な部分が作り上げられ、その後に「内装工」が入り室内空間を仕上げます。
「大工」は主に住宅の性能や耐久性に関わる部分を担当し、「内装工」は見た目や手触りなど実際の使用感に関わる部分を担当するという違いでも区別されます。
「大工」と「内装工」の仕事の違い(給料面の考察)
「大工」の平均年収は350~450万円、「内装工」の平均年収は400~450万円となっています。
「大工」のほうがやや低めですがこれは担当する業務によって収入に差があるのが主な理由です。
同じ「大工」でも造作大工と型枠大工では作業時間も報酬も異なりますが「内装工」は分野ごとの違いはほとんど無いのが平均年収に違いが出る理由です。
どちらの仕事も職人仕事であり技術が高ければ収入も上がります。
独立して一人親方になったり会社を作って人を雇ったりするようになると年収は最高で800~1000万円程度まで上昇します。
まとめ
同じ建築業でも「大工」と「内装工」では仕事内容がまったく違います。
求められる技術や活躍の場所も異なるので建築業界に進みたいと考えている方はそれぞれの仕事内容を比較して進路を決めてください。