「宮大工」と「大工」という2つの職業は、建築に関連した仕事をする職業です。
似ている職業ではあるものの、業務内容にも違いがあるのでそれぞれの職業の概要や業務内容、2つの職業の違いを簡単に説明します。
「宮大工」とは?
「宮大工」とは古い歴史のあるお寺や神社などの建造物、重要文化財を建築、修復、保護をするのが仕事です。
受け継がれてきた技術を必要とする仕事で、歴史的建造物を守るだけでなく、伝統の技術を守り、伝承していくという使命も担っています。
「宮大工」の業務内容
詳しい業務内容は、歴史的建造物の建築、修復、保護を行うことです。
そのためには伝統工法である「継ぎ手」や「仕口」といった技術が必要で、技術以外にも建築に関する知識はもちろん宗教学や史学など、歴史と宗派の特徴を知り、どんな建築物でどんな人たちが使用していたのかなど、さまざまな面から対象とする建築物について知る必要があります。
すべてが手作業となる工法のため、長期間の施工をやり遂げるために自分の体調管理をすることも仕事をする上で重要です。
「大工」とは?
「大工」とは設計図に従って、材料の加工や木造建築物を建てるのが仕事です。
専門学校や建築学科のある大学に行き、知識や資格を得て大工になる方法もありますが、必ずしも資格が必要なわけではなく、大工の親方に弟子入りしたり、工務店に就職して知識や技術を学んだりして大工として働くこともできます。
「大工」の業務内容
詳しい業務内容は建築士が設計した木造建築物を親方の指示を受けて、建てるのが主な仕事です。
建築に必要な材料を必要なサイズに加工するのも「大工」が行います。
「大工」としての経験を積み、成長することで親方から現場を任される「棟梁」という責任のある仕事をすることもあります。
「宮大工」と「大工」の仕事の違い
「宮大工」と「大工」という2つの職業の違いは、「宮大工」がお寺や神社、重要文化財などの歴史的建造物の建築や修復、保護を行う仕事であること、「大工」が一般的な住宅やアパート、マンション、商業施設などの建築物を建築するのが仕事であるという点です。
どちらも資格がなくてもなれる職業といった点では同じですが、「宮大工」の場合は伝統工法や歴史的建造物に関する知識が必要となり、「大工」は木造建築の建築現場での経験や建築に関する基本的な知識が必要だという違いがあります。
もちろん「建築大工技能士」や「木造建築士」など建築に関連した資格を持っている便利で、「宮大工」や「大工」になりたい人には有利になります。
まとめ
ここでは「宮大工」と「大工」という2つの職業について概要や業務内容、それぞれの違いなどを簡単に説明してきました。
それぞれの職業は対象とする建築物が全く違い、行われる工法にも違いがあります。
説明した概要や業務内容を参考に2つの職業の違いを覚えておきましょう。