この記事では、「着座」と「着席」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている熟語を正しく学んでいきましょう。
「着座」とは?
着座(ちゃくざ)とは、自分の席に座ること。
おもにスピーチをしている人が、座ったまま話をおこなう場合に使っています。
「恐れ入りますが、着座のまま失礼いたします」や「着座にて資料を説明させて頂きます」がその一例です。
本来ならば立って話すべき所を、失礼を承知の上で座ったまま話を続けるときに使われています。
また着座はカーペットや畳に、じかに座るという意味もあります。
座に「自分の場所」という意味があるので、決められた位置に座るのが「着座」となります。
フォーマルな会など、襟を正したい席でよく聞くフレーズです。
「着席」とは?
着席(ちゃくせき)とは、自分の椅子に座ること。
おもに司会者が、立っている参加者に対してリラックスするよう促すときに使われています。
「どうぞご着席ください」と用います。
着席を用いるときは、折りたたみできるパイプ椅子や丸椅子が用意されている、洋風の会場が多いです。
反対に畳に座布団などが敷かれている会場では、着席という言葉は使わずに「お座りください」と言い換えることが多いです。
また着席は飛行機や新幹線など、乗り物の席に座るという意味もあります。
乱気流に巻き込まれたとき「シートベルトの警告サインが消えるまで、着席のままお待ちください」は機内でよく耳にするアナウンスです。
「着座」と「着席」の違い
いずれもよく似ています。
「着座」と「着席」の違いを、分かりやすく解説します。
・自分に対しては「着座」相手には「着席」
着座と着席は、使い分けが難しいです。
まず着座は、自分の席に座ること。
座布団の上や、椅子の上に座ることです。
そして着席は、おもに椅子の上に座ること。
畳にじかに座る場合には、あまり着席という言い方はしません。
また着座は「着座のまま、解説させていただきます」のように、自分が座っていることを、へりくだって言う場合によく用いられています。
一方で着席は「どうぞご着席ください」のように、座ってほしい相手に対して用いられることが多いです。
そのため自分が腰かけるときは着座、相手が腰かけるときは着席です。
また着席は特急列車や新幹線、飛行機やフェリーなどで「指定された自分の席に座ること」もあらわしています。
そのため旅行や出張に出かけた際に、よく耳にする言葉は着座よりも着席になります。
着座には「任命された職につく」という、着席にはない意味も含んでいます。
まとめ
「着座」と「着席」の違いを分かりやすくお伝えしました。
着座とは、自分の席につくこと。
畳や座布団、席に座ることです。
スピーチで座ったまま、話をおこなう際にも用いられています。
そして着席とは、指定された座席に腰かけること。
立っている人に対して、座るようにうながす際にも用いられています。