「無理を聞いていただき」と「要望を聞いてくれて」の違いは?
ビジネスでの使い方や例文などを分かりやすく解説します。
「無理を聞いていただき」とは?
「無理」は「理屈に合わない、道理に反する」を意味する言葉です。
このことから、「不可能」や「困難」と同じように使用されています。
また、「いただく」は「もらう」を意味する謙譲語です。
そのため、「無理を聞いていただき」と表現した場合は、「不可能を聞いてもらい」や「困難なことを聞いてもらい」のような内容を意味するのです。
「要望を聞いてくれて」とは?
「要望」は「期待する、望む」などを意味します。
これは「希望」などに比べると、比較的現実性の高いものに対して使用される言葉です。
また、「聞いてくれて」の「くれて」は相手がこちらに対して与えることを表現する言葉です。
ここでは「要望を聞いてくれて」と表現しているため、相手が要望を聞く行為を、「してくれた」と意図的に強調しているのです。
「無理を聞いていただき」と「要望を聞いてくれて」の違い
それでは「無理を聞いていただき」と「要望を聞いてくれて」の違いはどこにあるでしょうか。
一つ目の違いは「無理」と「要望」にあります。
「無理」は「不可能、困難」を意味します。
また、「要望」は「期待」を意味するのです。
二つ目の違いは語尾にあります。
それは「いただき」と「くれて」の違いです。
「いただき」は「もらい」ですから、「もらい」と「くれて」の違いとも言えます。
これは行動主体をどちらに置くかの違いと言えます。
「もらい」は自分に、「くれて」は相手に行動の主体があるのです。
「無理を聞いていただき」の例文
ここでは「無理を聞いていただき」の例文を挙げていきます。
相手への感謝を示すような言葉と組み合わせると、相性よく使えるのが分かります。
・『無理を聞いていただき、大変助かりました』
・『無理を聞いていただき、とても救われました』
・『無理を聞いていただき、誠にありがとうございます』
・『無理を聞いていただき、心より感謝申し上げます』
「要望を聞いてくれて」の例文
ここでは「要望を聞いてくれて」の例文を挙げていきます。
ここでは、同じように使用しても「無理を聞いていただき」とは意味が変化するのが分かるはずです。
・『要望を聞いてくれて、大変助かりました』
・『要望を聞いてくれて、とても救われました』
・『要望を聞いてくれて、誠にありがとうございます』
・『要望を聞いてくれて、心より感謝申し上げます』
まとめ
このように「無理を聞いていただき」と「要望を聞いてくれて」は、どちらも相手が何かを聞いてくれたことを示す言葉です。
「無理」と「要望」では意味が違いますので、状況に適した言葉を選択するとよいでしょう。