この記事では、ビジネスシーンでもしばしば使われる言葉の「さることながら」について、その意味や使い方等を分かりやすく説明します。
「さることながら」とは?意味
「さることながら」とは、「言うまでもないことだが」という意味の言葉です。
一つのものごとを当然とした上で、さらに別のものごとを提示する際に使われる言葉です。
「さることながら」は漢字表記では「然る事乍ら」となります。
漢字表記を使うことはないでしょうが、言葉の意味は、この漢字表記の言葉を分解することで把握しやすいと思います。
「然る」は肯定的な「当然の」という意味で、「乍ら」は「ではあるが」と言う意味です。
従って「さることながら」は「当然のことながらや、言うまでもないことだが」との意味になるのです。
「さることながら」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「さることながら」は、「AもさることながらBも」や「AもさることながらBは」と、AとBが対にして使われます。
ここでAは比較のベースとなる事柄なので、皆が当然だと思える事例を引くべきで、このAに異論があると、「さることながら」を使った話の展開が成り立たなくなります。
その上で、言いたいことはBであることが、この「さることながら」を使う場合のポイントだと言うことが出来ます。
この点をしっかり理解して使うことが大切だと言えます。
具体的な使用例として、会議等の議論ではAが参加者の合意が得られた中で、追加としてBも同様だと議論の俎上に載せる際などに、口火を切る言葉として使われたりしています。
自分は上司や目上の人が提示したAには反対ではないが、Bの方が大切であり、より正しいと考える場合に、この「さることながら」を使えば、Aの意見を直接的に否定することなく、自分の主張を述べることが出来、非常に便利に使うことが出来ます。
「さることながら」は、敬語ではありませんが、前後の言葉遣いを敬語表現とすれば、上司や目上の人に便利に使える言葉といえます。
「さることながら」を使った例文
・『あの部長は仕事が出来ることもさることながら、人格的にも優れています』
・『今回発売された新製品は、大幅な小型化もさることながら、性能面でも大きく改善されています』
・『彼女は英語が堪能なこともさることながら、スペイン語も堪能と言うマルチリンガーです』
「さることながら」の言い換え
「さることながら」は、AとBを対比する形で、「もちろんのこと」や「当然ですが」と言い換えることが出来ます。
「しかしながら」のAとBを対比する形で使われることが多い言葉ですが、この言葉はAに対する否定的なニュアンスがある点が、少し「さることながら」と違っていると言えます。
まとめ
「さることながら」とは、「言うまでもないことだが」という意味の言葉で、「AもさることながらBも」や「AもさることながらBは」と使われる言葉です。