この記事ではビジネスシーンでも使われることの多い、四字熟語の「一朝一夕」について、その意味や使い方等を分かりやすく説明します。
「一朝一夕」とは?意味
「一朝一夕」の読みは「いっちょういっせき」で、「わずかな時間」を意味する四字熟語です。
この四字熟語の「一朝」とは「一日のうちの朝の時間帯」を指し、「一夕」は「一日のうちの夕方の時間帯」を指す言葉です。
「一朝」も「一夕」も、いずれも一日のうちのごく限られた短い時間であることから、わずかな時間の例えとして、比喩的に用いられている言葉です。
この四字熟語は古代中国の書物である「易経」で、「一朝一夕のことではない」という表現で使われたのが最初とされ、それが語源とされています。
「一朝一夕」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
今日でも、前項で記載した四字熟語の語源となった使用方法と同じく、「わずかな時間では出来ない」と言う意味で、「一朝一夕にはできない」等と否定の文章で使われれるのが一般的です。
肯定的な表現で使われることはありません。
また、「一朝一夕にはできない」は、「わずかな時間ではできない」意味から転じて、「簡単には出来ない」と言う意味でも使われています。
ビジネスにおいては、自己の成長も、大きな仕事の成果も、簡単に得られるものではなく、日々の努力の積み重ねによって得られるものです。
そうした背景もあり、この「一朝一夕」の四字熟語が使われることが多いと言えます。
ちなみに、「わずかな時間で出来る」と、肯定的に使う場合には、「一朝で」や「一夜で」と言う表現が使われます。
こんな所にも、日本語の難しさが感じられると言えます。
「一朝一夕」を使った例文
・『取引先との信頼関係は一朝一夕に構築できるものではありません』
・『長い年月の間に出来上がった企業体質は、一朝一夕に変革することはできません』
・『実際に活用できるビジネススキルは、一朝一夕に身に付くものではなく、日々の努力の積み重ねが大切です』
「一朝一夕にはいかない」の言い換え
「一朝一夕」の意味をより深く理解できる様に、一般的な否定的な使い方の例として「一朝一夕にはいかない」の言い換えを挙げたいと思います。
「一朝一夕にはいかない」の言い換えとしては、「すぐにはできない」や「時間がかかる」や「簡単にはいかない」や「生易しいものではない」などが挙げられます。
まとめ
「一朝一夕」は、「わずかな時間」を意味する四字熟語です。
一般的には、「一朝一夕にはいかない」などと否定的に使い、「わずかな時間では出来ない」や「簡単には出来ない」と言った意味で使われます。
肯定的に使われることはないので、間違わぬよう注意が必要です。