この記事ではビジネスでしばしば使われる慣用句の「雑感ですが」について分かりやすく説明します。
「雑感ですが」とは?意味
「雑感ですが」とは、「雑多な感想ですがや、まとまりのない感想ですが」を意味する慣用句で、ビジネスシーンでもしばしば使われる言葉です。
一般的に文章を書いたり、口頭で意見や感想を述べる際には、一旦頭の中で話をまとめ、整理してから述べるべきものでが、「雑感」はこれが十分でないことを意味するものです。
すなわち、文章や話の内容が、十分に練られておらず、論理的な筋道も整理されていないことを指す言葉です。
しかし、「雑感」は「十分に考えられていない、雑でいい加減な文章」と言う訳ではありません。
単に文章や話の筋道の整理が不十分であることを指しているだけで、内容はそれを書いたり話したりしている人の考え方や意見を正しく反映していることに違いはないのです。
この点は間違いやすいので、注意が必要です。
また、この「雑感ですが」と言う慣用句は、一般的に文章や話の前置きとして使われる言葉ですが、その言葉には、謙遜の意味が含まれていることも多く、必ずしも言葉通りに「雑感」ではなく、意外と整理されていることも少なくありません。
この点にも注意が必要と言えます。
「雑感ですが」の上司や目上に使うときの注意点
上司や目上の人に、手紙やメールの文章を書いたり、面と向かって話をする際に、「雑感ですが」と前置きするのは、余り良いとは言えません。
敬語表現か否かの以前に、上司や目上の人に意見や感想を述べる際に、整理せずに書いたり、話したりすることそのものが、失礼と言えるからです。
もしも謙遜的に使うにしても、その場合には「つたない意見ですがや、つたない感想ですが」と内容自身を謙遜している意味の言葉を使うべきと言えます。
「雑感ですが」を使った例文
・『この映画を見た感想を、考える間もなく問われたので、雑感ですがと前置きして、ポイントをいくつか答えました』
・『講演会の冒頭で、雑感ですがと述べられていましたが、十分に練られたお話で、話に引き込まれ、感動さえ覚えました』
・『上司に向かって雑感ですがの前置きは、やはり良くないと思います。話をするなら整理してからにすべきと言えます』
「雑感ですが」の返答や返信例
先に記載したように、上司や目上の人に対しては、「雑感ですが」は使うべきではありません。
しかし逆に上司や目上の人に意見や感想を求めた返答として「雑感ですが」としてコメントをもらうことは少なくないでしょう。
そんな時には、「雑感ですが」は謙遜だと考え、その内容に対して「貴重な感想をいただき、誠にありがとうございます」と「雑感ですが」に捕らわれることなく、お礼の返答・返信をするのが良いと言えます。
まとめ
「雑感ですが」とは、「雑多な感想ですがや、まとまりのない感想ですが」を意味する慣用句です。
「雑感」は「整理が不十分であること」を意味しているだけで、決して「十分に考えられていない、雑でいい加減な文章」と言う訳ではありません。
誤解や誤用をしないように注意が必要です。