ビジネスでよく使う表現「ならびに」とはどのような意味なのでしょうか。
今回は、「ならびに」の意味と類語について解説します。
「ならびに」とは?
「ならびに」とは、「事柄を並列に述べるときに用いる接続表現」です。
「ならびに」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「ならびに」というのはある事柄と別の言葉を続けて述べるときに用いる言葉です。
ふたつの事柄の間に上下や優劣などの違いはなく、前後の違いがあるだけで意味や重要性は並んでいる場合に用います。
「ならびに」というのは漢字で「並びに」と書きます。
対象となるのは事柄がふたつの場合のみでそれ以上数が増えた場合は「ならびに」という表現は使われません。
AとBがあるとき、どちらも同じ程度の重要性で差はないのが「ならびに」の特徴です。
「AならびにB」という場合はAとBは同程度や同格など同じレベルに並んでいることを表します。
順番にも制限はないので「AならびにB」を「BならびにA」と言い換えてもまったく問題なく意味が通じます。
「ならびに」で表される事柄同士は同じ程度のものとして扱いますが種類は異なります。
「食べ物ならびに飲み物」という言い方はしても「食べ物ならびに食べ物」と同じ種類の事柄を並列で表現することはありません。
「ならびに」には「並べて付け加える」という意味なので一つだけの事柄に対して使われることはありません。
「AならびにB」というように基準となるAに対して並ぶものBが存在することを表しているので「ならびにB」というように基準となるAがないのにBだけで「ならびに」という言葉を使うのは誤った使い方です。
ふたつの事柄がどの程度であるかを判断するのは主観によりますがあまりにも大きな違いがある場合に「ならびに」を使うのは好ましくありません。
「日本ならびに横浜市」というような客観的に見て明らかにスケールが異なるもの同士を「ならびに」という言葉で並列に表現するのは違和感を覚える使い方です。
「ならびに」を使った例文
・『ご来賓の皆様ならびに親族の皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます』
・『申込書には使命ならびに電話番号を記入するよう指示された』
・『新潟県の特産品は米ならびに日本酒である』
・『支社長ならび支部長の皆様にお知らせがございます』
「ならびに」の類語や敬語での言いかえ
ビジネスでは当たり前に使われている「ならびに」ですがTPO似あわせて別の言い方に変えられるようになるとよりふさわしい言葉遣いに近づきます。
「ならびに」の類似表現
・および
「ならびに」と同じく複数のものを併記するときに用いる表現です。
「ならびに」が同じレベルのものをふたつ並べるのに対し、こちらはふたつ以上並べるときにも使えます。
並べる事柄同士も同レベルに限定されず大小や優劣などのはっきりとした差がある物同士の場合でも使える表現です。
「ならびに」の敬語表現
「ならびに」という言葉自体が丁寧な言い方なので「ならびに~ます」「ならびに~です」という形で敬語としてそのまま使用できます。
尊敬語、謙譲語、丁寧語の土の場合でも「ならびに」を使って問題ありません。
「ならびに」の返答や返信例
「ならびに」という表現に対してはふたつの事柄を同じレベルのものとして認識するのが正しい反応です。
どちらか一方を持ち上げたり下に見たりせず同列に扱いましょう。
まとめ
「ならびに」という言葉はビジネス以外でも使われている日常的な表現です。
ふたつの事柄限定なのでそれ以上数が多いときには使わないよう注意してください。