この記事では、ビジネスシーンでしばしば使われる慣用句の「お手数をおかけして申し訳ありません」について、その意味や使い方を分かりやすく説明します。
「お手数をおかけして申し訳ありません」とは?意味
「お手数をおかけして申し訳ありません」の慣用句は、「お手数をおかけします」と「申し訳ありません」の二つの文章から構成されています。
この「お手数をおかけします」は、さらに「お手数」と「おかけします」の二つに分解することが出来ます。
「お手数」は「色々な手順や手続き」を意味する「手数」に敬語表現の接頭辞の「お」が付けられた言葉です。
また「おかけします」は「かけてしまう」ことを意味する敬語表現です。
従って「お手数をおかけします」は「色々な手順や手続きなど厄介なことをしてもらう」ことを意味する敬語表現となります。
相手の方に、協力をお願いするときに、面倒をかけてしまうことに対する心苦しさや、相手の方の協力に対して、感謝やねぎらいの気持ちを込めて使われる慣用句です。
一方、後半の「申し訳ありません」は言うまでもなく、謝罪する気持ちを表す「申し訳ない」を、「ません(ます)」という助動詞の丁寧語を使った表現です。
こちらの慣用句も、一応敬語表現となっています。
以上のことから、二つの慣用句をつなぎ合わせた「お手数をおかけして申し訳ありません」とは、「色々な手順や手続きなど厄介なことをしてもらい、申し訳ない」ことを表現する丁寧な言葉だと言えます。
「お手数をおかけして申し訳ありません」の上司や目上に使うときの注意点
「お手数をおかけして申し訳ありません」は丁寧な表現であり、それほど格式張らなくても良い直属の上司等には使っても良いと言えるでしょう。
しかし、この慣用句は、それほどの敬語表現とは言えないため、広く目上の人や取引先に使う場合には、「お手数をおかけして申し訳ございません」とした方が良いと言えます。
「お手数をおかけして申し訳ありません」を使った例文
・『お手数をおかけして申し訳ありませんが、何卒ご教示の程、宜しくお願いします』
・『お忙しい中、何かとお手数をおかけして申し訳ありませんでした。お蔭で無事に役割を終えることが出来ました』
・『お手数をおかけして申し訳ありませんが、今週中にお返事をいただきたいと存じます』
「お手数をおかけして申し訳ありません」の返答や返信例
「お手数をおかけして申し訳ありません」の慣用句は、協力等を依頼する場合に使われますが、一般的にはすでに協力する意思表示を済ませている際に使われることも少なくない言葉です。
従って、そんなシーンでは「ご心配には及びません」や「恐縮いただくほどのことではございません」などと、相手の方と同じ様に丁寧な言葉で返すのが、マナーでしょう。
まとめ
「お手数をおかけして申し訳ありません」の慣用句は、「色々な手順や手続きなど厄介なことをしてもらい、申し訳ない」ことを意味する丁寧な表現です。
しかし、それほどの敬語表現とは言えないので、親しい上司以外の目上の人や取引先などの方には、「お手数をおかけして申し訳ございません」と言い換えた方が良いと言えます。