みなさんは、ビジネスシーンにおいて、「一切の責任を負いかねます」を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味や使い方、例文や言い換えについて、詳しく解説していきます。
「一切の責任を負いかねます」とは?
「一切の責任を負いかねます」は、「いっさいのせきにんをおいかねます」と読みます。
「一切の」とは「あらゆるもの、すべての」という意味です。
「ひとつ」と「切り」の組み合わせであると考えると、「ひとつの区切りとして」といったニュアンスがあり、「多くの物事をひっくるめてひとつに」という意味合いから「すべて」に転化したとも言えます。
「責任」とは、「任務や義務、自分の言動が責めを負う状況」という意味で、「負いかねます」は「負う」と「かねる」の組み合わせから「負うことをしたくてもできない」という意味になるため、「責任を負いかねます」は「責任を負いたくても難しい状況」であることを伝えた言い方です。
つまり、「一切の責任を負いかねます」とは、「すべての任務や義務は負いたくても難しい状況」であることを表現した言い回しです。
「一切の責任を負いかねます」の使い方や注意点
「一切の責任を負いかねます」は、ビジネスシーンでとてもよく使われています。
使い方としては、「ある物事についての責任の行方」を伝える場面で、「〇〇についての一切の責任を負いかねます」と明記・告知する形で使われます。
ですから、この場合の「責任」は、その物事に関わる当事者に委ねられるというわけです。
この言葉を使う上での注意点としては、「負いかねます」の言い回しによる“意味合いの分かりにくさ”です。
「かねる」は漢字で「兼ねる」と表記できますが、「どちらも」といったニュアンスがあるため、「負います」なのか「負いません」なのかはっきりしないイメージとして受け取られることがあるからです。
実は、「かねる」にはもうひとつの意味があり、それが「したくてもできない」です。
結果的に「しない」という意味ですが、遠回しに「しない」と言っている表現となります。
「一切の責任を負いかねます」の例文
・『当駐車場内で起きた事故・盗難などのトラブルに対しての責任は負いかねます』
・『ご利用に際しての一切の責任は負いかねます』
「ある物事に関わる当事者が自己責任において利用するルールであること」を言い表しています。
駐車場や公共施設などでよく見るメッセージです。
「責任は負いません」と告知するケースもありますが、遠回しな言い方で「負いかねます」と伝えているわけです。
「一切の責任を負いかねます」の言い換え
・『一切の責任を負いません』
・『一切の責任は負いません』
・『自己責任となります』
・『自己責任でお願いします』
当事者が責任を負うことを明示したフレーズです。
「負いかねます」に比べ、ストレートな表現であることが分かります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「一切の責任を負いかねます」は、「すべての責任を負いたくても難しい状況」を言い表した言葉です。
遠回しの表現ですが、結論としては「責任を負わない」と言っているフレーズであることを覚えておくと良いでしょう。