みなさんは、ビジネスシーンにおいて、「ご引見のほどお願い申し上げます」を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方や注意点、言い換えについて、詳しく解説していきます。
「ご引見のほどお願い申し上げます」とは?
「ご引見のほど」は、「ごいんけんのほど」と読みます。
「引見」には、「地位身分の高い人が目下の人を自分の所に招いて面会すること」という意味があります。
接頭語「ご」を付けた丁寧な言い方であるため、目上の相手に対しての言葉であることが分かります。
「~のほど」は、「~であるように、そのように」という意味合いがあります。
「お願い申し上げます」は、相手に頼み事をする際の、お願いを述べる言葉を丁寧にした言い方です。
つまり、「ご引見のほどお願い申し上げます」は、目上の相手に対して、「引見してもらえるように」お願いする際に使う言葉になります。
「ご引見のほどお願い申し上げます」の使い方や注意点
「引見」という言葉は、日常的に使われる言葉ではありません。
「目上の人が目下の人を招く」というニュアンスから、その行動の背景を考えた場合、天皇陛下が使節を招き面会する場面などで使うことが出来る言葉であると理解できます。
類語的なニュアンスとしては、「面会」や「対面」がありますが、相手の立場が目上であることが意味として含まれる「引見」は、言葉を使うタイミングを選ぶ必要があります。
注意点として、字面とイメージが類似する「ご高見」との混同があります。
「高見」とは「優秀な意見」という意味合いのため、「引見」とは別の言葉となります。
「ご引見のほどお願い申し上げます」の言い換え
・『ご引見くださいますようお願い申し上げます』
・『ご引見いただけますようお願い申し上げます』
・『ご面会くださいますようお願い申し上げます』
・『ご面会いただけますようお願い申し上げます』
「ご引見」はとても丁寧な言い方として使われています。
目上の相手と言っても、上司に対して使うというより、格上の相手として、相手企業の役員などと打ち合わせや商談の機会を得た際に使う言葉と言えるでしょう。
対して、「面会」や「対面」は「会う」という意味合いを丁寧にした言い方として用いることが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ご引見のほどお願い申し上げます」は、目上の相手から呼び入れられ、対面する機会を得たい場面で使う言葉です。
特別な相手との面談や面接、あるいは、大切な会議や大きな商談の際に、「招き入れてもらえるように」という意味合いで、お願いを述べた言葉となります。
ですから、「お願いします」よりも丁寧な「お願い申し上げます」の言い方が適切であり、相手の立場や状況を見極めて、より丁寧な敬語表現を工夫できると良いでしょう。