ビジネスで「ご尽力いただきたいと思います」という表現を使うことがあります。
使い方や他の表現への言いかえの方法などについて分かりやすく解説していきます。
「ご尽力いただきたいと思います」とは?
「ご尽力いただきたいと思います」という言には、少し違和感を覚える場合があります。
この違和感の根源には「尽力」という言葉が持つ意味にあります。
「尽力」は「力を尽くす」ことです。
そのため、丁寧な表現であるにも関わらず、これからの苦労を強要するかのようなニュアンスを感じる場合があるのです。
これは、使われる場面や、対象の行動、そして使う相手との関係によって変化するものなので、注意が必要です。
「ご尽力いただきたいと思います」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
まずは「ご尽力いただきたいと思います」のビジネスでの使い方・使われ方には、どのようなものがあるのでしょうか。
例えば社長から社員に向けたスピーチで「社員の皆様には、ご尽力いただきたいと思います」と伝える場合は、問題ありません。
なぜなら、目上の者から、目下の喪にに対してこれから予定されるであろう労苦を労っているからです。
では、注意すべきケースとは、どのような場合でしょうか。
例えば取引先の役員に「ご尽力いただきたいと思います」と伝えるのは、グレーゾーンになります。
なぜなら、尽力するかしないかを判断するのは先方にあるにも関わらず、少し押しつけがましい表現になってしまうためです。
「ご尽力いただきたいと思います」を使った例文
ここでは「ご尽力いただきたいと思います」を使った例文を挙げていきます。
この場合ですと、3つ目の例文は不適切な表現という事になります。
・『社員の皆様には、ご尽力いただきたいと思います』
・『メンバーには、ご尽力いただきたいと思います』
・『お客様には、ご尽力いただきたいと思います』
「ご尽力いただきたいと思います」の類語や敬語での言いかえ
それでは「ご尽力いただきたいと思います」の類語や敬語での言いかえには、どのようなものがあるのでしょうか。
「ご尽力いただきたいと思います」の類似表現
はじめに「ご尽力いただきたいと思います」の類似表現として、「ご協力だきたい」や「ご助力いただきたい」に置き換えることができます。
ただし、この場合は言葉が持つニュアンスは異なりますので、使い分けが必要です。
「ご尽力いただきたいと思います」の敬語表現
次に「ご尽力いただきたいと思います」を敬語表現にするとどうでしょうか。
「ご尽力いただければ幸いでございます」という言いかえが可能です。
これは、「いただきたいと思う」という表現が持つ、半ば勝手な断定を和らげる効果があります。
あくまでも自分の希望であるという事を添えるだけで、言葉が持つ強制力を弱め、より相手に配慮した表現になるのです。
まとめ
このように「ご尽力いただきたいと思います」という、一見では丁寧な言葉も、使い方や使う相手によっては失礼にあたる場合があります。
言葉の意味や語尾の使い方には、十分な配慮が必要だということが、よく分かるケースと言えるのではないでしょうか。