みなさんは、ビジネスシーンで「お見苦しいところを」という言葉を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方と注意点、言い換えについて詳しく解説していきます。
「お見苦しいところを」の意味とは?
「お見苦しい」は、「見ていて不快・不安になる様子、醜いさま」といった意味合いがあり、丁寧語の接頭語「お」を付けた言い方です。
「ところを」は、「そのような様子を」といったニュアンスがあります。
つまり「お見苦しいところを」は、「見ていて不快や不安になる様子を」という意味の言葉です。
「お見苦しいところを」の使い方と注意点
テレビやニュースなどで、映像や音声が乱れ、うまく伝えられなかった場面で、「一部、お見苦しいところがございました、お詫びいたします」というアナウンスが入ることがあります。
注意点として、この表現で伝えたいことは、「見づらくて伝わりにくい内容であったこと」ではないことです。
映像や音声が乱れたことにより、視聴者が「不快、不安」を感じ取ってしまったであろうことに対して、お詫びを述べています。
「見苦しい」という文字から、直感的に「見づらさ、見にくさ」を感じる場合もありますが、「見ているのが苦しい」と受け取れば、「見ていて不快・不安になる様子」ということが分かります。
ですから、映像や音声が乱れたことを詫びているのではなく、相手を不快にさせてしまったことを詫びている、と理解することができます。
つまり、「お見苦しいところを」は、そういった場面において、使うことができる言葉と言えます。
「お見苦しいところを」の言い換え
ビジネスシーンなどにおいて、「お見苦しいところを」といったニュアンスを伝えるための工夫を、いくつか例を見ながら考えてみましょう。
・『先日は、お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ございません』
意見の対立などから、感情的な発言があったことについて、冷静な判断を欠いた行動であったとお詫びを伝えた言い回しです。
お互いに真剣に向き合っているからこそ、強めの口調にもなるというもの。
しかし、そこは大人のマナーとして、きちんと謝罪の意を表すことで、信頼の回復に努めていると言えるでしょう。
ここでも、発言の内容についてではなく、その場の空気感や不安感を与えてしまったことについての謝意であることが分かます。
・『至らない点があり』
「至らない」とは、「目的まで達していない」、また、「未熟な様子」を表しています。
「点があり」は、「到達できていないところがあって」というニュアンスがあります。
「至らない点がある」ということが相手に伝われば、不安な気持ちにさせてしまうことになりかねません。
ですから、「至らない点があり」は、そういった場面で、相手に対して「未熟さを見せてしまい申し訳ない」という気持ちを込めて、「至らない点があり」と切り出し、お詫びを伝えるための言葉として、よく使われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「お見苦しいところを」は、相手に与えてしまった「不快感や不安感」について、お詫びの伝える場面で用いる言葉であることが分かりました。
真剣に取り組んでいても、時には「見苦しい場面」となることがあります。
そういった状況では、「見苦しいところがあった」ということについて、素直にお詫びを伝えることが、大人のマナーとしても大切であると言えるでしょう。