「惜春の候」とは?
ビジネスでの使い方や、敬語での言い換え方法などについて、分かりやすく解説していきます。
「惜春の候」とは?
はじめに「惜春の候」の意味を解説していきます。
「惜春の候」は「せきしゅんのこう」と読み、4月下旬から5月初め頃を示す時候の挨拶です。
これは文字通り「春を惜しむころ」という意味を持っています。
時候の挨拶は、挨拶状などの文書で、季節を表す言葉として用いられるものです。
そのため、それぞれの言葉に意味があり、指し示す具体的な時期があるのです。
「時候の挨拶」は、文字そのものが1セットで意味を成します。
よかれと思って少しカスタマイズしてはいけないのです。
また、使える時期や範囲にもルールがあるので、それに従って使う言葉でもあります。
「惜春の候」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
それでは「惜春の候」のビジネスでの使い方・使われ方には、どのようなものがあるのでしょうか。
たとえば、あなたの会社では、取引先に定期的に挨拶メールを出していたとします。
そして、4月の下旬のメール文案の作成担当が、あなたに割り振られました。
あなたは、ビジネスメールはよく使いますが、このような多数に向けた挨拶文書を書くのは初めてでした。
そのため、どのような言葉で文書を書き出すべきかに悩んだのです。
通常のメールで使う「いつもお世話になっております」では、不適切だと感じたのです。
このような場合には、「惜春の候いかがお過ごしでしょうか」と記載してから、文書を書き始めるとよいでしょう。
季節感を感じる、便利な挨拶文の定番フレーズなのです。
この言葉を使う場合の注意点は、時期をしっかり確認することです。
時候の挨拶を使用するのは、比較的上級者と言えます。
そのため、あえて使用して時期を間違えるほど、恥ずかしいほどはないのです。
また、郵送などの場合は、手元に届くまでのタイムラグにも、それなりに配慮したほうがよいでしょう。
時候の挨拶を使う以上は、季節感を間違えないように、しっかり使いこなすべきなのです。
「惜春の候」を使った例文
ここでは「惜春の候」を使った例文を挙げていきます。
例文のように、一般的な挨拶文と組み合わせて使用すると、大半のパターンで自然な表現が成立します。
・『惜春の候、いかがお過ごしでしょうか』
・『惜春の候、ますますご清祥のこととお慶びいたします』
・『惜春の候、お変わりはございませんでしょうか』
「惜春の候」の類語や敬語での言いかえ
それでは「惜春の候」の類語や敬語での言いかえには、どのようなものがあるのでしょうか。
「惜春の候」の類似表現
まず「惜春の候」の類似表現について解説します。
「惜春の候」は「春も過ぎる頃」と言い換えられます。
意味は概ね同じになりますが、時候の挨拶としての効力はなくなるので注意しましょう。
「惜春の候」の敬語表現
つぎに「惜春の候」を敬語表現で言い換えることはできません。
敬語表現にするには、語尾や周囲の言葉を補う必要があります。
たとえば「惜春の候、お変わりございませんでしょうか」などの表現です。
まとめ
このように「惜春の候」は、4月下旬から5月初め頃を指す時候の挨拶です。
このような季節の言葉を入れると、一気に上級者の感がでるので、上手に使いこなすとよいでしょう。