「他方」の正しい使い方を解説していきます。
正しい意味を学んで、ビジネス語に自信をつけましょう。
「他方」とは?
「他方」とは「別の面を見てみる」こと。
これまで論じてきた見解と、異なる説を述べるときにつかいます。
ある事象とちがう側面をいうときの表現が「他方」です。
例えば社内会議でどの商品の売り上げがいいのか、担当者が報告しているシーンがあったとします。
こんなとき「この冬は暖房器具の売り上げが伸びました。
他方では、冬物衣類の売り上げは大きく下がっていました」という言い方をします。
ある分野と別の分野を、つづけて言うときのクッション語が「他方」になります。
2つの事柄を結びつける、副詞のような働きがあります。
「他方」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「他方」という言葉は、社会人になるとよく耳にする用語です。
ただ正確にその内容を理解していないと、恥をかきやすい言葉です。
「他方」は、まだ言及していない事柄を述べるときにつかいます。
そのためすでに何度も述べた事柄に対して「他方は」や「他方では」という言い方をすると、間違っていることになります。
新しい情報を付け加えたいとき、つなぎ言葉として役立つのが「他方」です。
他方には「異なる側面から見ると」というニュアンスもあるので、ある物事のメリットとデメリットを比較して述べるときにも用いられます。
「他方」を使った例文
・『景気が悪くなる一方だが、他方で儲けている会社もいる』
・『リモートワークに前向きな社員が多い。他方で反対意見を述べる社員もいる』
・『マンションの着工数は伸びています。他方で戸建て住宅の需要は減っています』
「他方」の類語や敬語での言いかえ
他方の言葉の言いかえとして「一方」もあります。
一方もふたつの側面を述べたいときの、つなぎ言葉として用います。
先に述べたことと、異なった意見を述べるのが「一方」にあたります。
「他方」の類似表現
「他方」の似ている表現に「反面」があります。
反面は、反対の説を述べるときの言葉です。
メリットとデメリットなど、相対する話をするときに引用します。
「他方」の敬語表現
「他方」の敬語には「翻って」があります。
これは「翻る」の変化した形で「別の観点からみると」という訳があります。
逆説的に異なる見解を述べるときに使えます。
「他方」の返答や返信例
「他方」はある2つの事柄を比較したり、並べたりするときに用います。
このような見解が相手から出されたら、その内容を精査していきます。
相手に対しては「ご教示いただき、ありがとうございます」とお礼を述べておくと丁寧です。
まとめ
「他方」の意味と使い方をおさらいしました。
「他方」には、ふたつの事柄をつなげる働きがあります。
これまで述べていない、新しい側面を伝えるときに用います。
正しくその意味を、理解しておきましょう。