「ご無理なさらないでください」とはどのような意味を持つビジネス表現なのでしょうか。
「ご無理なさらないでください」とは?
「ご無理なさらないでください」とは、「無理するな」という意味で使われるビジネス表現です。
「ご無理なさらないでください」の「無理」は物事を力ずくで押し切ってやることを意味します。
無理の本来の意味は「道理に合わない」「筋が通らない」といった物事の原理や原則を曲げることですが、本来のあるべき姿ややり方を曲げて成し遂げようとする様子を表すことから転じて「キャパシティを超えて何かをしようとすること」という意味で使われています。
「ご無理なさらないでください」はキャパシティを超えて何かしようとしている人をたしなめたり止めたりする時に用いられるビジネス表現です。
一般的には相手の健康を気遣って使うことが多く、病気や怪我など体調が万全でないのに仕事しようとしたりこなせないほどの大量の仕事を抱えたりなどやろうとすればどこかに歪みが生じトラブルになりかねない行為を辞めさせるための表現です。
相手の健康や体調を気遣っていると同時に限界を超えて行動することで予想されるトラブルを回避する目的も含まれています。
「限界を超えて頑張られて倒れてしまったら困ったことになってしまう」「他の人にも仕事を割り振って負担を軽減するべきだ」など相手を気遣う気持ちも嘘ではありませんが、限界を超えてなんとかしようとする無茶な姿勢を非難するニュアンスも若干ながら込められています。
「ご無理なさらないでください」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
相手の体調が悪そうに見えたりスケジュールを詰め込みすぎていたりなど限界越えが心配される相手に対する配慮として使う表現です。
本当に忙しくギリギリいっぱいの人に対しては気遣いの言葉になりますが、大して忙しくない人に使うと嫌味に聞こえるおそれがあるので注意しましょう。
無理させているという自覚がありながら「ご無理なさらないでください」という言葉をかけるのは明らかな矛盾です。
本当に相手に無理させたくないのならお願い事を減らしたり相手の状況に合わせて調整したりなど別の工夫が必要です。
「ご無理なさらないでください」を使った例文
・『健康が大事なのであまりご無理なさらないでください』
・『急ぎの仕事ではないのであまりご無理なさらないでください』
「ご無理なさらないでください」の類語や言い替え
・『お手すきの際で構いませんので』
「手が空いているときにやってくれればいいので急がなくても構わない」という意味になります。
相手に無理させず負担をかけたくない時に用いられる表現です。
まとめ
「ご無理なさらないでください」は相手に対する配慮の気持ちを込めた表現です。
無理しないように仕事を後回しにされたり締め切りを延ばされたりなどデメリットが伴う可能性もあるので使う場合は注意が必要です。