この記事では、ビジネスにおいてしばしば使われる表現の「本年一年に渡り」について、その意味や使い方等を分かりやすく説明します。
「本年一年に渡り」とは?意味
「本年一年に渡り」における「本年」は言うまでもなく「今年のこと」です。
また「渡り」は「何かが長い期間や範囲に及ぶこと」を意味する言葉なので、「一年に渡り」は「一年を通じて長く」と言った意味になります。
従って、「本年一年に渡り」は「今年一年を通じて長く」との意味になります。
ちなみに、その意味から本来は「わたり」の表記としては「亘り」が正しいのですが、「亘」の漢字が常用漢字ではないので、「渡り」が代用されたり、平仮名表記の「わたり」が使われているのです。
「本年一年に渡り」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「本年一年に渡り」は「今年一年を通じて長く」との意味であり、一般的には「本年一年に渡り対ロシアへの経済制裁が科されて来た」と使われたり、ビジネスシーンでは「彼は重要プロジェクトに、本年一年に渡り、全力を傾注して来た」などと、使われます。
また、ビジネスにおいては、年末の挨拶のメール文でもこの表現がしばしば使われます。
本年中のある時期にお世話になったケースではなく、一年を通じて頻度高くお世話になった様な場合に使われます。
例えば、直属の上司である部長や課長に対して使われたり、取引が定期的であったり、不定期でも頻度が高い取引先の方に対して使われます。
また、習い事をしている先生に対しても使われます。
年末の挨拶文では、「本年一年に渡り、ご指導いただき誠にありがとうございます。
来年も変わりませず、ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます」等の文章で、前半の感謝の気持ちを表現する際に使われます。
「本年一年に渡り」を使った例文
・『本年一年に渡り、色々とお世話になりました。来年も変わりませずご指導の程、お願い申し上げます』
・『本年一年に渡り、寝食を忘れて研究に没頭して来ました』
「本年一年に渡り」の類語や言い換え
先に記載した通り、「本年」の類語としては「今年」が挙げられ、また「渡り」の類語としては「通じ」や「通して」などが挙げられます。
従って、元の言葉とこれらの類語を組み合わせて、「本年一年に渡り」は例えば「今年一年を通じて」や「本年に一年を通して」などと言い換えることが出来ます。
まとめ
「本年一年に渡り」は「今年一年を通じて長く」との意味の慣用的表現です。
一年を通じて何度も頻度多くお世話になった、上司や取引先の方や習い事の先生等に対する、年末の挨拶で感謝を述べる際にしばしば使われる表現です。
一年の内のある時期にだけお世話になった様な場合には、使われる表現ではありません。