この記事では、ビジネスでしばしば使われる表現の「年の瀬を迎えることができました」について、その意味や使い方等を分かりやすく説明します。
「年の瀬を迎えることができました」とは?意味
「年の瀬を迎えることができました」の表現において、キーとなる言葉の「年の瀬」について、まず説明します。
この「年の瀬」とは「年末」や「歳末」を意味する言葉ですが、その由来は以下の通りだとされています。
この「年の瀬」の言葉の「瀬」は「川の瀬」から来た言葉です。
「川の瀬」は川においては浅いけれども流れが急な箇所を指す言葉で、橋が少なく、渡し船が重要な時代に、渡し船が渡りにく箇所を意味しています。
一方で江戸時代には庶民はツケで物を購入するのが一般的で、収入が入った際や、年末にまとめて支払うのが常でした。
こうした背景の中で、年末にツケを支払うことは容易ではありませんでした。
そこで、渡し船で川を渡るのが容易でない「川の瀬」を年末にツケを払うことが容易でないことに掛けて、ツケを払う必要のある「年末」や「歳末」を「年の瀬」と称するようになったのです。
少し説明が長くなりましたが、「年の瀬」は上記の由来で「年末や歳末」を意味するのです。
従って、「年の瀬を迎えることができました」とは、「年末を迎えることができました」との意味になります。
「年の瀬を迎えることができました」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
この「年の瀬を迎えることができました」との表現は、一般的には「無事に年の瀬を迎えることができました」との表現で、年末の挨拶文でしばしば使われます。
年月が経てば、必然的に「年の瀬」はやって来ますが、個人なら大病をし最悪の場合は亡くなって「年の瀬」を迎えることが出来ないケースのあります。
また会社や商店などの事業所も倒産することもあり、何事もなく「年の瀬」を迎えられるとは限らないのです。
こうした感慨を込めて、例えば会社の挨拶文では「本年も変わらぬご愛顧を賜り、お陰様で無事に年の瀬を迎えることができました」と言った表現で使われるのです。
深い感謝の念が感じられる表現です。
「年の瀬を迎えることができました」を使った例文
・『コロナ禍で、決して経営は楽ではありませんでしたが、皆様のご支援のお蔭で、無事に年の瀬を迎えることができました』
・『本年も、大病もせずに健康に年の瀬を迎えることができました』
「年の瀬を迎えることができました」の類語や言い換え
「年の瀬」の類語としては先にも記した「年末」や「歳末」が挙げられます。
従って、「年の瀬を迎えることができました」は「年末を迎えることができました」や「歳末を迎えることができました」と言い換えることが出来ます。
まとめ
「年の瀬を迎えることができました」とは、「年末を迎えることができました」との意味です。
会社なら経営が比較的順調との意味を込め、また個人なら大病することもなく健康にとの意味を込めて、年末の挨拶文で「本年も無事に年の瀬を迎えることができました」と言った表現でしばしば使われます。