みなさんは、ビジネスシーンにおいて、「本日は御多忙中にもかかわらず」を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方や注意点、言い換えについて、詳しく解説していきます。
「本日は御多忙中にもかかわらず」とは?
「本日」は、「今日」と同意語です。
「御多忙中」は「ごたぼうちゅう」と読み、「多い」+「忙しい」+「中」の組み合わせに、接頭語「御」を付けた丁寧な言い方で、相手にとって「とても忙しい中で」という意味合いの言葉となります。
「にもかかわらず」は「にも関わらず」と感じ表記される場合もあり、「そのような状況においても」というニュアンスの言葉です。
つまり、「本日は御多忙中にもかかわらず」とは、「とても忙しく、時間の無い状況であっても」という意味合いを丁寧な言い方で表現した言葉です。
「本日は御多忙中にもかかわらず」の使い方や注意点
ビジネスシーンでは、相手に時間を割いてもらう形で打ち合わせや仕事に取り組む機会が多いものです。
そのような場面で、相手の貴重な時間をいただいたことに対する、お礼の言葉の冒頭文として使われているのが「本日は御多忙中にもかかわらず」になります。
この言葉の後に「ご足労くださり誠にありがとうございました」といった感謝の言葉を述べることで、一文の完成形となるのが一般的な使い方です。
この言葉を使う上での注意点としては、「御多忙中」の取り扱いが挙げられます。
「忙しい」という言葉の「忙」という文字は、細かく見ると「心を亡くす」という組み合わせであることが分かります。
つまり、「感情も押し殺さなければならないほど、仕事や時間に追われている状況」というニュアンスが「忙」に含まれているわけです。
この「心を亡くす」というニュアンスをあまり好ましく思わない人もおり、その事実を踏まえ配慮する言葉として活用できるのが、「御多用中(ごたようちゅう)」となるわけです。
「御多用中」は「取り組むべき用事や物事がとても多い状況」を言い表し、ビジネスシーンで活躍している様子が伺える言葉です。
相手の立場や状況に気を配り、言葉の使い分けを工夫できると良いでしょう。
「本日は御多忙中にもかかわらず」の言い換え
・『本日はお忙しい中』
・『本日はご多用中にもかかわらず』
・『本日はお忙しいところ』
・『本日はお時間をいただき』
・『本日はお時間を割いていただき』
・『本日はお時間をくださり』
忙しい様子や用事が多い状況は、つまり「時間的な価値」を指し示していると言えるでしょう。
こちらの用件のために相手の貴重な時間を使ってもらったということに大きな価値があることがわかります。
ですから、「お時間をいただき」といった表現が言い換えとして活用できるわけです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「本日は御多忙中にもかかわらず」は、相手の貴重な時間を割いてもらったことに対して、お礼を述べる際に使われる言葉です。
この言葉の後に、感謝の言葉が続く流れとなりますが、心を込めて伝えられよう、丁寧で美しい表現を学んでおきたいものです。