この記事では、ビジネスシーンでもしばしば使われる表現の「小春日和の候」について、その意味や使い方等を分かりやすく説明します。
「小春日和の候」とは?意味
「小春日和の候」における「小春日和」とは、「冬に向けて気温が下がって来ている時期に、ポカポカとした穏やかな晴天で、まるで春を思わせるような気候のこと」を意味します。
一方の「候」は「気候」を意味し、メールや手紙文で気候の挨拶を書く場合に「~の候」と季節や気候を表現する際に付けられる言葉です。
従って、冬に向けて気温が下がって来ている時期に、ぽかぽかとした穏やかな晴天で、まるで春を思わせるような気候のこと」となります。
「小春日和の候」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
先にも、少し説明しました、「小春日和の候」は春の気候を指して使う言葉ではありません。
しばしば間違えて使われることがあり、注意が必要です。
この「小春日和の候」は一般的に晩秋(11月中旬)から初冬(12月上旬)までの間で、春を思わせるポカポカ陽気の日が続く時に使われる言葉です。
従って、晩秋から初冬なのに、そんな日が少し続いている場合に限定して使える表現です。
メールや手紙の季節・気候の挨拶に使われる表現なので、1日、2日だけそんな日があっても、相手がそれを読む時には、急に寒さが増すように変化していることが考えられるからです。
これが気になる場合には、月並みになりますが、「晩秋の候」を使われると良いでしょう。
ちなみに、「~の候」と表現する漢語調の挨拶文は、時候の挨拶の中でも最もあらたまった丁寧な表現であり、ビジネスや公的な場合、さらに日常でも目上の人にメールや手紙を送る際に使われます。
色々な季節に対応した表現を覚えて、適切に活用したいものです。
「小春日和の候」を使った例文
・『拝啓 小春日和の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のことと、心からお喜び申し上げます』
・『拝啓 小春日和の候、御一同様にはいよいよご健勝のこととお慶び申し上げます』
「小春日和の候」の類語や言い換え
「小春日和の候」と同様に、漢語調の類語や言い換えは、難しいと言えます。
季節としては、「晩秋の候」や「初冬の候」と言い換えれば良いのですが、これでは季節外れとも言える「春を思わせるポカポカ陽気」の意味が伝えられません。
従って、強いて言い換えるなら少し柔らかな表現となりますが、「春のようなポカポカ陽気が続いていますが」や「春を思わせる穏やかない気候」などと、「小春日和」の意味を説明するような表現に言い換える以外ないでしょう。
まとめ
「小春日和の候」とは、「冬に向けて気温が下がって来ている時期に、ポカポカとした穏やかな晴天で、まるで春を思わせるような気候」との意味です。
ビジネス等で、季節・気候の挨拶として、メールや手紙文で使われる表現です。
「小春日和」は、春の気候を意味すると、誤用されることが多いので、注意が必要です。