ビジネスにおいて相手に対して何等かの行為をするということは様々ありますが、謙譲語をつかう表現も多くあります。
この記事では「差し上げる」について分かりやすく説明していきます。
「差し上げる」の意味
冒頭でも触れた通りこれは『与える』や『あげる』という言葉の謙譲語にあたります。
物品や金銭を与えるだけではなく、何等かの行為や配慮などを相手の為に行うことに対しても使うことができます。
ポイントになる部分としては相手に対して何等かのメリットがある行為をするという点です。
例えば出張や訪問されたお客様などが荷物を持っている場合、上司が部下などに対して『お荷物を運んで差し上げなさい』という表現をしていることを聞いたことがある方も多いと思います。
これも相手から重たい(と思われる)荷物を運ぶことで負荷を減らすというメリットを与えていることになります。
「差し上げる」の使い方
ビジネスシーンにおいても基本は同じ意味を持ちます。
我々が一般的に聞く表現はテレビやラジオ、ネットなどで応募型プレゼントコーナーなどがありますが視聴者や閲覧者に対して『抽選で100名様に〇〇を差し上げます』という言葉があります。
BtoBと呼ばれる企業間動詞でもこの表現は多く使われていますが、一点注意したい点として場合によっては慇懃無礼にあたる可能性があるという部分です。
例えば相手から電話をもらったのに担当者が存在せず、折り返し電話をさせる必要があるかを聞く時に『折り返しお電話差し上げましょうか』と伝えると受け手の取り方によっては非常に失礼に聞こえる可能性がありますので注意が必要です。
「差し上げる」の言い換え表現
先ほどご紹介した通り、ニュアンスによっては失礼な響きになってしまう為、言い換えの表現も覚えておいた方が無難です。
よく使われるのは『させて頂きましょうか』や『いかがでしょうか』があります。
例えば先の電話の例でいうと『折り返しお電話させて頂きましょうか』や『折り返しお電話させて頂きますがいかがでしょうか』と相手に確認することで『差し上げる』という一方的なイメージを緩和させることができます。
これで相手に申し出を受けることも、拒否することもできる選択の機会を与えることができる為、柔らかい表現になります。
「差し上げる」の英語表現
実は英語で直接『差し上げる』という丁寧な言葉は存在しません。
何かの物品を与えるときは中学の基礎英単語である『Give』を使います。
例えば『I am giving this to you』で『あなたにこれを差し上げます』になります。
便利な表現としては『For you』(あなたの為に)があります。
『For』の後は『Him』や『Her』にすることもできます。
例えば先の『お荷物を運んで差し上げなさい』であれば『Carry some of him/her bags for him/her』とすることができます。
まとめ
如何でしたでしょうか。
謙譲語である為、基本的には丁寧な表現ではありますが、場面によっては失礼にあたる使いどころを考えなければならないのが今回の『差し上げる』でした。
言い換えの表現を覚えて臨機応変に使える様にしておくと便利ですので是非トライしてみてください。