ビジネスシーンにおいて、「その節はお心遣いありがとうございました」はよく使われています。
この言葉の意味、使い方と注意点、言い換えについて、詳しく解説していきます。
その節はお心遣いありがとうございました
「その節は」は、「過去のあの出来事の時は」という意味です。
「あの時」や「この前」などと同じ意味になりますが、「その節」のほうがフォーマルな言い回しです。
「お心遣い」は「相手がこちら側のことを思いやり、とってくれた発言や行動」を意味します。
丁寧な表現として、接頭語の「お」が付いています。
「ありがとうございました」と締めくくっていますので、感謝を伝える言葉であることが分かります。
また、「ございました」は丁寧語になります。
ですから、「その節はお心遣いありがとうございました」は、「以前お世話になった時に、思いやりの行動をとってくれてありがとう」という感謝の気持ちを、丁寧な敬語表現として伝えたい時に使うことが出来る言葉です。
「その節はお心遣いありがとうございました」の使い方と注意点
「その節はお心遣いありがとうございました」は敬語表現ですので、ビジネスシーンで使うことが出来ます。
目上の上司や取引先への挨拶として、また、お世話になった方へのお礼として、様々な場面で活用できます。
注意点としては、相手にとって、その出来事が思い出せる範囲の期間の場合に、この言葉を使うのが相応しいことです。
「そんなことあったかな?いつだっけ?」と相手が悩んでしまう事態を避けたほうが良いからです。
もし、感謝をお伝えする機会を逃してしまい、それが長期間に渡ってしまった場合には、「あれから〇〇年が経ちました。
皆様お変わりありませんか。
その節はお心遣いありがとうございました」のように、時間経過から切り出すことで、相手との時間と距離を共有することになり、記憶や思い出を一緒に振り返りましょうというメッセージも伝えることが出来ます。
「その節はお心遣いありがとうございました」の言い換え
・「その節はお心遣いくださり、誠にありがとうございました」
「くださり」や「誠に」といった丁寧な敬語表現を用いることで、よりフォーマルな場面でも使うことが出来ます。
・「その節はお気遣いありがとうございました」
「お心遣い」ではなく、「お気遣い」を使った言い換えです。
「お気遣い」は「思いやり、気配り」といった意味がありますので、主に“相手からの、目に見えない思いやりの気持ち”に対して感謝を伝えたい時に使います。
ちなみに、「その節は」は「この前の」という意味から、過去の事柄についてのニュアンスであるのに対し、未来の事柄についてのニュアンスを込めたい場面では、「その節」ではなく、「その際」あるいは「その折」などと表現します。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「その節はお心遣いありがとうございました」は、お世話になった相手に対して、心から感謝を伝えたい時に使う敬語表現の言い回しになります。
「お心遣い」という言葉には“品格”が感じられますので、落ち着いた雰囲気の言い回しとして、フォーマルな場面で活用することが出来ます。
メールや文書、そして会話の中でも用いることが出来ますので、お世話になった当時を思い出しながら、言葉を?みしめるように表現できると、相手にも喜ばれる瞬間を演出することが出来るでしょう。