「譲歩いただき」という表現法についての解説です。
「譲歩いただき」とは?意味
「譲歩いただき」は、相手側の人物が考えを曲げてくれて考えを譲り、自分の考えについて認めたという事実を意味します。
なので、この言葉は、ビジネスでは、相手側の人が考えを曲げ、自分の考えに従ったという事実について、丁寧に表現をしています。
なお、「譲歩していただき」でもよく、意味については同じです。
また、「譲歩いただき」は、表現法から、相手の人がとても偉い人で偉い人が自分の考えを曲げてこちらの考えに従ってくれたということを表現していますので、考えを曲げた人物というのは自分より立場が上の人になります。
「譲歩いただき」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「譲歩いただき」は、ビジネスでは相手の方が目上の人で、考えを曲げて、自分の考えに従ってくれたという事実について表現するために使用します。
そのため、注意点としては、「譲歩いただき」は単に相手の人が自分の意見に従ったという事実のみを丁寧に表現したにすぎないので、決してお礼を述べているわけではない点が注意点です。
なので、この後に何か言葉が続くのであれば、お礼を述べて自分の意見を採用してもらい、従ってもらったことについてお礼を述べるのが筋でしょう。
「譲歩いただき」を使った例文
・『譲歩いただきありがとうございます』
・『譲歩いただき、無事採用されました』
「譲歩いただき」の返答や返信例
「譲歩いただき」は、いわば、自分の案に従ってもらったというだけを意味するので、この言葉について返答をするのであれば、「君の言い分は正しい」とか、「上層部からの命令だ」と言って、自分の考えを曲げて相手に従ったと返すのが回答例でしょう。
「譲歩いただき」はあくまで上司の目線からすれば、自分の考えを曲げて部下の考えに従っただけですので、なぜ、部下に従ったかを返答したり返信すればそれが答えです。
まとめ
「譲歩いただき」は、微妙な言葉で、ビジネスにおいては、上司の人に対して意見をしたうえで、自分の意見に従わせたということを丁寧に述べているだけで、言い方が悪いんですが、実質、自分のほうが正しいと表現したようなものです。
なので、上司がこの言葉を聞いて快く思うかどうかは別で、根に持っている上司の人もいるかもしれません。
まして、上司の考えを捻じ曲げさせ部下の意見が採用とあれば、上司はもはや、部下のことを敵だと思うでしょうね。
よって、「譲歩いただき」は一応形式的にはとても穏やかで丁寧な表現法なんですが、表現する内容が穏やかではないので実質周囲に対して上司の意見より自分の意見を採用させてやったという表現になり割と危険な表現だったりします。