「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」という表現があります。
この言葉の意味や使い方、言い換えなどを、分かりやすく解説していきます。
「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」とは?
はじめに「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」という表現を最大限シンプルにするとどうなるでしょうか。
答えは「ありがとう、でもいらない」です。
これは極端な変換になりますが、意味tとしては同じです。
それではなぜ、このような表現をするのでしょうか。
これは語尾にあります。
本意はもらわないのに、語尾は頂戴する、つまり「もらう」になっているためです。
ここでの、もらう対象は「気持ち」になるわけですが、肯定で終わるところにポイントがあるのです。
「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
それでは「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」のビジネスでの使い方・使われ方には、どのようなものがあるのでしょうか。
例えば上司から酒を勧められたとします。
しかし、あなたは酒が飲めません。
とはいえ、無下に断るのは気が引けます。
このような場合に「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」を使えばよいのです。
これは取引や交渉でも、同じような場面で使用することができます。
使う場合の注意点は、きっぱり断りたい場合は「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」ではトーンが弱すぎるため、より断定的な表現に変えたほうが良いでしょう。
「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」を使った例文
ここでは「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」を使った例文を挙げていきます。
このように、本来の意思である「断る」部分いついては、前に持ってきても後ろに持ってきても、文章として成り立つことが分かるはずです。
・『お気持ちだけありがたく頂戴いたしますが、そちらの品をいただくわけにはいけきません』
・『お気持ちだけありがたく頂戴いたしますが、私はお酒が飲めないのです』
・『今回はお受けできませんが、お気持ちだけありがたく頂戴いたします』
「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」の類語や敬語での言いかえ
それでは「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」の類語や敬語での言いかえには、どのようなものがあるのでしょうか。
「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」の類似表現
まず「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」の類似表現としては「お心だけ~」で言い換えることができます。
この場合でも、文意は同じになります。
「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」の敬語表現
つぎに「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」を敬語表現で言い換えるなら「お気持ちだけありがたくいただきます」とすることが可能です。
「頂戴」と「いたす」では過剰と思われる場面では、後者の表現にするとよいでしょう。
まとめ
このように「お気持ちだけありがたく頂戴いたします」とは、末尾の文章とは真逆の意味を持つ言葉です。
少しまわりくどい表現にも思えますが、日本文化の美徳を持った、素敵なフレーズであるとも言えます。