「ご考慮いただけないでしょうか」とは?
ビジネスでの使い方、敬語での言い換えなど、分かりやすく解説していきます。
「ご考慮いただけないでしょうか」とは?
「考慮」は、「考(かんが)える」と「慮(おもんぱか)る」で構成されています。
これは「考えを巡らせること」を意味する名詞です。
これを「ご考慮いただく」とすれば、「考慮してもらう」を意味する謙譲語になります。
「もらう」をへりくだって表現したのが、「いただく」という謙譲語なのです。
ここではさらに、否定の疑問文で語尾を終えています。
「いただけない」が否定文であり、「でしょうか」が丁寧語の疑問文なのです。
これらを加味して文章全体を平易な言葉で言いかえると、「考えてもらえないか」という言葉になるのです。
「ご考慮いただけないでしょうか」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
それでは、ビジネスで「ご考慮いただけないでしょうか」を使う場合には、どのようなものがあるでしょうか。
たとえば、顧客と契約条件を交渉していたとします。
あなたは契約条件を何とか変更したいと考えていました。
しかし、あなたの要求事項は相手にメリットがないのでした。
そのため、シンプルに懇願することにしたのです。
このような場合には、「契約条件に付いて、何かしらご考慮いただけないでしょうか」と、相手にうかがいを立てるとよいでしょう。
これにより、丁寧で控えめな表現で、相手に考慮を要求できるのです。
この言葉を使用する場合には、「いただけないでしょうか」の使い方に注意しましょう。
これは「否定+疑問」です。
これを「肯定+疑問」に変えることも可能です。
たとえば、「いただけますか」のようにできるのです。
質問の意味は同じですが、相手が受け取る印象は大きく変わります。
このような微妙な違いを上手に使い分けると、質問のテクニックも向上するのです。
「ご考慮いただけないでしょうか」を使った例文
「ご考慮いただけないでしょうか」を使った例文を挙げます。
例文のように、相手に考えてもらいたい内容を先に述べると、自然に分かりやすい文章を作成できるはずです。
・『契約条件に関して、ご考慮いただけないでしょうか』
・『来期の体制については、ご考慮いただけないでしょうか』
・『私の処遇に関して、もう少しご考慮いただけないでしょうか』
「ご考慮いただけないでしょうか」の類語と敬語での言いかえ
それでは「ご考慮いただけないでしょうか」の類語と敬語での言いかえを説明します。
「ご考慮いただけないでしょうか」の類似表現
「ご考慮いただけないでしょうか」の類似表現には、「お考えいただけないでしょうか」があります。
「考慮」と「考え」は、ほぼ同じ意味の名詞ですので、類似表現として成立するのです。
「ご考慮いただけないでしょうか」の敬語表現
「ご考慮いただけないでしょうか」を、別な敬語表現で言いかえるとどうでしょうか。
たとえば、「ご考慮くださいませんか」のように言いかえできます。
まとめ
このように「ご考慮いただけないでしょうか」は、相手に考えてほしい場合に使用できるフレーズです。
ビジネスでも使用できる言葉ですので、おぼえておくとよいでしょう。