みなさんは、ビジネスシーンで「お体に気をつけてご自愛ください」という言葉を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方と注意点、言い換えについて詳しく解説していきます。
「お体に気をつけてご自愛ください」の意味とは?
「お体に気をつけて」とは、「相手の体全体に対して病気やケガなどのないように気を配って」という意味です。
「お体」を「お身体」と表現することも出来ます。
「お身体」とした場合には、「心の調子」といったニュアンスも含まれるようです。
公文書としては「お体」が使われますが、意味合いとしてはどちらも同じと考えて良いでしょう。
「ご自愛ください」の「ご自愛」は、「自分の体のことを気にかけること」を指し、接頭語「ご」が付いているので、相手に対する言葉となります。
「お体に気をつけてご自愛ください」の使い方や注意点
相手の体調を気遣い、思いやりの言葉をかけるときに用いるのが、「お体に気をつけてご自愛ください」だということが分かります。
ただし、この言葉の使い方には注意点があります。
それは、「ご自愛」の言葉自体に「体調を気遣う」という意味があるため、「お体に気をつけてご自愛ください」をそのまま使うと、「お体に気をつけてお体に気をつけてください」と同じ意味の繰り返しとなってしまうことです。
見方を変えれば、「お体に気をつけて」と「ご自愛ください」は、それぞれ独立して活用することができる言い回しであると言えます。
また、相手の立場と状況に配慮した言い方を工夫できれば、目上の相手にも失礼のない表現として使うことが可能です。
「お体に気をつけてご自愛ください」の言い換え
・『お体に気をつけてください』
「気をつけてください」の言い方が、命令形として受け取られてしまう場合があります。
ですから、目上の相手に対して使う際は言い回しに注意が必要となります。
・『お体にお気をつけてお過ごしください』
「お体にお気をつけて」+「お過ごしください」といった言葉の組み合わせにより、丁寧な表現で、尚且つ、柔らかな言い回しとして、目上の相手に対して使うことが出来ます。
・『くれぐれもご自愛くださいませ』
「くれぐれも」は、「何度も心を込めてお願いする」というニュアンスがあり、「ください」+「ませ」の言い方はより丁寧な表現となりますので、「ご自愛」を使った思いやりの言葉として、ビジネスシーンにおいてとてもよく使われています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「お体に気をつけてご自愛ください」は、丁寧な表現を意識し過ぎて、同じ意味合いの言葉を重ねてしまった言い回しになっていることが分かりました。
「お体に気をつけて欲しい」という思いを熟語にしたものが「ご自愛」と捉えることも出来ます。
相手の立場や状況を見極め、言い方を工夫することで、思いやりの気持ちをより一層深く伝えることが出来るようになるでしょう。