みなさんも「いたしております」という表現を使っていると思います。
しかし、語尾に使うだけで丁寧に聞こえるという理由で使っていないでしょうか。
「いたしております」とは?
「いたしております」は「いたす」と「おります」に分けることができます。
「いたす」は「する」であり、「おります」は「いる」です。
そのため、英語で表現すると「Do-Ing」になります。
「する」の現在進行形、を謙譲表現されたものが「いたしております」の正体なのです。
「いたしております」のビジネスでの使い方
ビジネスにおいて「いたしております」という表現を使うと、少し冗長な感じがします。
よくある間違いとされる「二重敬語」等に該当しないか不安になるかもしれません。
しかし、「いたしております」という言い回しは正しい日本語表現であるため、安心して利用してください。
ただし、「いたしております」という表現を使う場合に、注意したいポイントが1つだけあります。
それは、現在進行中の状況に対してのみ使用すべきであるという点です。
「いたしております」を使った例文
それでは「いたしております」を使った例文を挙げていきます。
・『ただいま、対応いたしております』
・『業者がただいま、配送いたしております』
・『〇〇は現在、別の顧客の対応をいたしております』
いずれのケースでも、現在進行中の状況について述べている場合にのみ、自然な使い方になっているのが分かるはずです。
これは「おります」という部分に「英語のIng」の意味合いがあるためです。
また、あえて過去の状況に対する表現に変更すると「いたしております」という言い回しを不自然に感じることでしょう。
「いたしております」の類語や敬語での言いかえ
それでは「いたしております」の類語や敬語での言いかえには、どのようなものがあるのでしょうか。
「いたしております」の類似表現
「いたしております」の類似表現としては「しております」があります。
これは、謙譲表現を除いた形で、丁寧語になります。
相手に対してへりくだる必要がない場合などは「しております」の表現のほうが適切と言えます。
「いたしております」の敬語表現
「いたしております」をさらに敬語表現にすることはできるでしょうか。
残念ながら「いたしております」に敬語表現はありません。
既に敬語化されており、謙譲表現になっているため、これ以上変更するポイントがないのです。
まとめ
ビジネスシーンでは、なかば便利な語尾として利用されることも多い「いたしております」という表現。
この言い回しは、謙譲表現を含んでいるため、あまりに身近な相手に使う場合は、過剰な表現になってしまいます。
丁寧だから問題ないだろうと安易に考えずに、正しい日本語を使うように心がけましょう。