「急いては事を仕損じる」とは?慣用句やビジネスでも使える言葉を分かりやすく解釈

「急いては事を仕損じる」とは? ビジネス用語【一語】

「急いては事を仕損じる」とはどんな意味の慣用句なのでしょうか。

今回は、「急いては事を仕損じる」の意味と類語について解説します。

「急いては事を仕損じる」とは?

「急いては事を仕損じる」とは、「何事も急いでやろうとすると失敗しやすいので落ち着くことが大切だ」という意味を持つ慣用句です。

「急いては事を仕損じる」の使い方や使われ方、使うときの注意点

「急いては事を仕損じる」「急いて」とは「気がはやる」「心がせかされる」という意味を持つ「急く」の連用系です。

「早くやらなければ」「すぐ行動しないと」といったような「心がかき立てるように急ごうとする様子」を表します。

「仕損じる」「やり損ねる」「ミスをする」など「失敗する」という意味ですが難しいことにチャレンジしてうまくいかないというより「十分な能力があり成功させられるはずの物事に失敗してしまいやり遂げられない」という「不出来」の要素を含む表現です。

「急いては事を仕損じる」が用いられるのは「気がはやっている人をいさめるとき」です。

早くやらなければと心ばかりが先走っている人に対して「焦って行動すると失敗しやすいから落ち着け」といさめたりなだめたりする意味で使われる表現であり気がはやることに伴うリスクを伝えることで逆説的に落ち着くことの大切さを教えています。

気がはやり焦っている人をなだめる慣用句なのでこの言葉を使う人は落ち着いている必要があります。

同じように焦っていながら「急いては事を仕損じる」といっても説得力がありません。

自分にも言い聞かせるように「急いては事を仕損じる」と口にするケースもありますが、皆が焦る中で動じるそぶりを見せず落ち着き払って「急いては事を仕損じる」と言うとはやっていた心をおさえし冷静さを取り戻させる効果が期待できます。

ビジネスの世界ではスピードの重要性が叫ばれがちですがスピード一辺倒の考え方に釘を刺す意味でよく使われます。

高度情報化社会にあってスピードの重要性が際立つ中、あえて急がずじっくりと構えて事にあたることの大切さを意味する言葉です。


「急いては事を仕損じる」を使った例文

・『急いては事を仕損じる、というように急ぎすぎるのは危険だ』
・『準備に十分な時間をかけているのは急いては事を仕損じるからである』
・『早く目的地につきたいが急いては事を仕損じるので休憩しよう』

「急いては事を仕損じる」の類語や言いかえ

・焦りは禁物
「焦ってはいけない」という意味の言葉です。

ほぼ同じ意味の言葉ですが「急いては事を仕損じる」が失敗につながると具体的に表現しているのに対し、こちらは焦るのは悪いことであると抽象的に表現しているという違いがあります。

具体的な目標や目的など「事」にあたる物事がない一般論として語る場合にはこちらが用いられます。

まとめ

「急いては事を仕損じる」は前のめりになると失敗することが多いビジネスの世界で頻繁に使われる慣用句です。

事にあたる際の心構えとして時代を超えて伝わる慣用句なので心にしっかり刻んでおきましょう。