みなさんは、ビジネスシーンで「ご承知おきのことと存じますが」という言葉を使ったことはありますか?
今回は、この言葉の意味、使い方と注意点、言い換えや例文について詳しく解説していきます。
「ご承知おきのことと存じますが」の意味とは?
「ご承知」は、「ごしょうち」と読みます。
「承知」は、「わかっていること、聞き入れること」という意味があり、丁寧表現の接頭語「ご」が付いていることから、相手に対しての言葉になります。
「おき」は、「あらかじめ~しておいて」というニュアンスの言葉です。
「ことと」は、「そうであると」といった意味合いです。
「存じますが」は、「思いますが」を敬語表現にした言葉です。
つまり、「ご承知おきのことと存じますが」は、「事前にわかっていると思いますが」という意味合いを丁寧に言い表した言葉です。
「ご承知おきのことと存じますが」の使い方や注意点
「承知」の「承」には、「引き受ける、うけたまわる」といった意味があり、「知」には「知る、わかる」という意味があります。
また、接頭語「ご」が付いた「ご承知」となると、「うけたまわる」行動をするのは「相手」となります。
ですから、「ご承知おきのこと」という言葉には、「相手は、あらかじめ引き受けて分かっておく必要がある」というニュアンスを含むことになり、目上の立場の相手には失礼にあたる可能性があることが分かります。
では、どのように表現の工夫をすれば良いのでしょうか。
「ご承知おきのことと存じますが」の言い換え
・『お含みおきいただきたく存じますが』
・『ご存じかと思いますが』
「お含みおき」は、「それを踏まえて」といったニュアンスを丁寧に表現した言葉ですので、目上の相手に対して失礼なく使うことが出来る言い方になります。
また、「ご存知」も丁寧な敬語表現として、ビジネスシーンでとてもよく使われている言い回しです。
「ご承知おきのことと存じますが」の例文
・『ご承知おきのことと存じますが、今月いっぱいをもって退職いたします』
・『何卒お含みおきいただき、ご確認のほどよろしくお願いいたします』
・『ご存知でしたらお教え願えますでしょうか』
これらの例文に共通することは、「相手はすでに分かっている」というニュアンスが含まれることです。
相手の立場や状況に配慮した言葉選びを工夫することで、様々な場面で活用することが出来ます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ご承知おきのことと存じますが」は、とても丁寧な表現ではありますが、言葉の持つ意味合いから、使うべき場面や状況に応じて工夫が必要になることが分かりました。
ビジネスシーンでは、目上の相手からの指示や要望に対して、「承知いたしました」と応えるのが正しい表現になりますが、「ご承知」となると、立場が逆転している状況とも受け取れます。
わずかなニュアンスの違いにも配慮できるように、言葉の理解を深めておきたいものです。