「忘却の彼方」とは?使い方や言い換えなど、慣用句やビジネスでも使える言葉を分かりやすく解釈

「忘却の彼方」とは? ビジネス用語【一語】

記憶に関する慣用句「忘却の彼方」とは何を意味しているのでしょうか。

今回は、「忘却の彼方」の意味と類似表現について解説します。

「忘却の彼方」とは?

「忘却の彼方」とは、「記憶にあったことも覚えていないほどすっかり忘れ去ってしまうこと」を意味する慣用句です。

「忘却の彼方」の使い方や使われ方、使うときの注意点

「忘却の彼方」「忘却」には「忘れる」という意味があります。

かつて記憶にあったものを思い出せなくなるだけでなく「記憶から消えてしまう」というちょっと忘れるだけではなく思い出せないほど忘れてしまうことを指します。

「忘却の彼方」とは「忘れるを強調した誇大表現の慣用句」です。

人の記憶は時間によって薄れたりおぼろげになったりしますが、時間と記憶の関係として昔はしっかりあった記憶を過去のどこかに置き去りにしてしまうことで思い出せなくなり忘れてしまうイメージが浮かびます。

置き去りにしてきた過去が近ければ頑張れば思い出せますし少し昔なら手がかりやきっかけがあれば記憶の糸口がつかめますが、手が届かないほど記憶が離れた場所に行ってしまうと覚えていたことすらはっきり思い出せないほど徹底的に忘れ去ってしまいます。

そのような状態を「遠く離れた場所」を意味する「彼方」という言葉を用いて表現した慣用句が「忘却の彼方」です。

一般的に「忘却の彼方」という表現を用いる場合「二度と思い出せない」「すっかりきれいに忘れ去ってしまう」「記憶していたことすら覚えていない」という「徹底的に忘れ去ってしまうこと」を表します。

取り戻そうとしても手の届かない場所にまで記憶が遠く離れてしまっているのでどう頑張っても思い出せないのが「忘却の彼方」であり「もう取り戻せないほど忘れ去られ失われた記憶」に対して用いる表現です。

科学的な意味ではなく文学的な表現として使われるのが「忘却の彼方」なので物理的に記憶がどこかにいってしまうわけではありません。

「遠く離れて手の届かない場所にあるもののように取り戻せない記憶」「忘却の彼方」なので忘れたい記憶焼けしたい過去など都合の悪いことはできるだけ早く「忘却の彼方」にやってしまいたいと考えられます。


「忘却の彼方」を使った例文

・『小さかったころの主ではすでに忘却の彼方にある』
・『大災害の記憶も50年が過ぎた今となっては忘却の彼方だ』
・『都合の悪い事実ははやく忘れて忘却の彼方に追いやってしまいたい』

「忘却の彼方」の類語や言いかえ

・記憶の彼方
「遠く離れた深い場所にある記憶」を意味する言葉です。

「忘却の彼方」がすっかり離れ忘れてしまった状態を指すのに対し、こちらは思い出すのは簡単ではないがまだ記憶に残っている状態なので頑張れば思い出せる可能性がある記憶に対して使います。

まとめ

「忘却の彼方」橋的な印象を受ける慣用句です。

ビジネスなど正式な場面で使われる言葉ではありませんが日常会話で使われることもあるので意味を知っておきましょう。