「笑顔がほころぶ」とは何を表す慣用句なのでしょうか。
今回は、「笑顔がほころぶ」の意味と類似表現について解説します。
「笑顔がほころぶ」とは?
「笑顔がほころぶ」とは、「硬かった表情がゆるみ笑顔になること」を意味する言葉です。
「笑顔がほころぶ」の使い方や使われ方、使うときの注意点
「笑顔がほころぶ」の「ほころぶ」は「固く結び合わされていたものがほどけること」を意味します。
衣服の縫い目がほどけてしまった箇所のことを「ほころび」といいますがこれは「ほころぶ」から来た言葉です。
現在「ほころぶ」という言葉は「花のつぼみが少し開いて咲き始めること」という意味で使われています。
縫い合わせていた部分が解けて開いてしまうようにぎゅっと固く結ばれていた花のつぼみが開花の時期を迎えてゆっくりとほどけていき花が開きかけている様子を指して「ほころぶ」と表現します。
「笑顔がほころぶ」というのは人の表情を咲きかけの花に例えた慣用句で「緊張などの理由で花のつぼみのように固く引き締まっていた表情が花開くように和らいで笑うこと」を表します。
「笑顔がほころぶ」は一般的に「顔がほころぶ」という表現が多く用いられています。
「固かったつぼみが開くように硬い表情がほどけて笑みが浮かぶ」という意味を持つ慣用句ですが「笑顔がほころぶ」のほうがより笑顔を強調しています。
もともとの表情に対して「ほころぶ」という表現を用いると普通の顔から笑顔になるのですから「顔がほころんで笑顔になる」つまり「顔がほころぶ」のほうが正しいという意見がありますが、そもそもの意味である植物の蕾が開いて花が咲く様子をあらわす言葉として「花ほころぶ」という表現があることを考えると「笑顔がほころぶ」も間違った表現ではなくどちらも日本語として正しい表現です。
硬い表情がわずかに緩んで笑みが浮かぶ様子を指す言葉なので元々の表情が柔らかかったり大笑いしたりする場合にはふさわしくありません。
緊張や警戒など硬かった気持ちが少しときほぐれて心を許したときに浮かぶ表情が「笑顔がほころぶ」の指す笑顔です。
「笑顔がほころぶ」を使った例文
・『緊張していた様子だったがおどけた仕草を見て笑顔がほころぶ』
・『合格案内に自分の受験番号を見つけたところで笑顔がほころんだ』
・『あまりにも嬉しくて笑顔がほころぶのを隠し切れない』
・『笑顔がほころぶ様子を見ているとこちらまでうれしい気持ちになってくる』
「笑顔がほころぶ」の類語や言いかえ
・表情をゆるめる
「硬く引き結ばれた表情が和らいで少し笑顔になること」を意味する言葉です。
「笑顔がほころぶ」が硬い表情からはっきりと笑顔に変化する様子を指すのに対し、こちらは笑顔といえるほどまでは変化していないが硬い表情がほぐれた様子を表します。
まとめ
「笑顔がほころぶ」のは見ていて嬉しいものです。
花が開くという前向きでポジティブな様子に人の表情を例えた慣用句なので言葉の意味を知って使いこなしてください。